褒められた
家庭科の授業で、手縫いの学習を進めています。チクチクととてもめんどくさい作業を二時間続きの学習の中、毎週頑張っています。最初は、とても危なっかしく、辿々しかった子ども達が少しずつ手が慣れていって、何週間もしてくるとそれなりに上手になってきます。もちろん個人差がありますので、どの子も素晴らしい出来ばえとは言い切れませんが、その子なりに一生懸命に取り組んでいる姿はとても美しく、私は大好きです。
そんな中で、確認の意味もあって、一つの課題、たとえば「波ぬい」とか「本返し縫い」とか「ボタンつけ」が出来たら、私にオッケーチェックを受けることになっています。中にはやり直しな子もいて残念なこともありますが、ほとんどの子がある程度綺麗に仕上げてきます。丁寧に一針一針頑張って辿り着いたことが嬉しくて、みんなドキドキしながら私に見せにきます。
私は、見せに来てくれた子ども達ほとんどにオッケーを出しています。その時に私は
「素晴らしい」
「おめでとう」
「頑張ったね」
「すごい上手」
「素敵」
「パーフェクト」
と言います。
今日もある子に仕上がった確認の中で
「パーフェクト!」
と言葉を贈りました。するとその子は
「俺、初めてパーフェクトと言われた」
と褒め言葉を受け取った喜びを友達に嬉しそうに表現していました。
私が大体、一言伝えるとみんな「私、褒められた」と嬉しそうに顔を綻ばせて友達のところへ報告に行きます。本当に嬉しそうです。そんな場面を見ると、もっともっとたくさん褒めてあげたくなります。
子ども達の様子を伺っていると、叱られることは多くても、出来て当たり前感覚な感じが漂っていて、心から褒められる、受け取るという場面が少ないように感じています。ちゃんと出来たことをしっかりと心を込めて褒めてもらえる。そんな経験が子ども達の心を育て、ちゃんとやればできるんだ、頑張ってやってみようという前向きな心を育てると共に、その子の自尊心を膨らませ安定したものにしていくような気がしています。
私は、週に一回二時間しか会えない子ども達ですが、そのチャンスを活かして、少しでも心に栄養が届く言葉を伝えていきたいと思っています。
子ども達は褒めて欲しいのです。認めて欲しいのです。それが満ち満ちていったら、自信を持って生きていける気がしています。これからも小さなこと、出来たことをちゃんと認めて心から言葉を伝えていきたいと思っていま
す。
《れい》
褒められて
顔ほころびる
嬉しさよ
出来た喜び
心に染みる