【ニブセキの息子】病棟にお友だちができたよ
脊髄の手術を終え、病棟に入院している二分脊椎症の息子2歳に、お友だちができた。
お友だちを、名前で呼ぶように
息子は今まで、家族以外の人を名前や呼び名で呼ぶことがなかった。療育や子育て支援センターで、近くで誰かが遊んでいても、興味を示さずに自分のやりたいことをやりたいようにやっていた。
私がいつものように病棟へ行き、プレイルームに息子を連れていったときのこと。そこにいた、同じく入院中のりさちゃん(仮名)を見るなり「りさちゃん、いた!」と言ったのだ。
実際には、妻とりさちゃんママが意気投合しているうちに、子ども同士もよく顔を見るようになり、慣れていって…ということらしいが、他人の名前を言うなんて今までなかったので、びっくりした。これは、保育の授業で習った、いわゆる自我であるとか社会性が身に付いてきたという証しではないか。けっこうグッときた。
おもちゃはまだ、奪い合い
息子はりさちゃんを見つけると、その方向に駆け寄って同じ遊びをしようとする。でもたいていおもちゃの奪い合いになったり、手が当たった、当たってないみたいなことになり、どちらかが泣く。でもりさちゃん親子が別なおもちゃで遊ぼうとすると、そっちについていく。
子どもってこういう感じでお友だちに近づいていくんだな。すっかりおとなになったおじさんは忘れかけていたよ。
子ども同士に先入観はない
りさちゃんは、けっこう大変な手術を終えて療養中だ。息子は背中の手術痕は落ち着いてきたけれど、リハビリをしたり、導尿をしたりと、やはり考えるべきことはいろいろある。お互いに、乗り越えないといけないことがあるだけに、親同士で共感することも多いのだと思う。
でも、当たり前だけれど子どもはお互いに何の先入観もないから、フラットに遊んでいるし、おもちゃも奪い合う。
譲り合いの精神はもっと先に身につくだろう。むしろ、ひとりのお友だちとしてまっすぐに遊んでいる今の息子は、微笑ましいし、頼もしいくらいかもと感じている。
=写真は最近の夕方の息子。相変わらず昼寝も夕寝も少ないが、入院前よりは寝るようになった。完全に体力が戻っているわけではないので、遊ぶと結構疲れるらしい。