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新聞社でのレイアウトの仕事(いわゆる新聞整理)と、妻、二分脊椎症の息子3歳との日々をつづります。

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新聞社でのレイアウトの仕事(いわゆる新聞整理)と、妻、二分脊椎症の息子3歳との日々をつづります。

マガジン

  • 二分脊椎症の息子とのあゆみ

    二分脊椎症の息子の成長の記録をまとめました。

最近の記事

【ニブセキの息子】お医者さんに必要なもの

二分脊椎症の息子3歳は、妻のお腹にいるときからずっと、病院の先生たちにお世話になってきた。 特に、現在通っている子ども病院の主治医である脳外科医の先生には、直接メスを入れてもらったうえに、MRI画像を見ての変化を注意して診てもらっている。まさに、命の恩人である。 繰り返し、診てもらう中で、お医者さんは頭脳的な部分が優れているだけではとても務まらない仕事であると強く実感するようになった。 第一に体力たとえば手術。水頭症、脊髄髄膜瘤をもって産まれてきたうちの息子は、これまで

    • 【日常生活】機械に使われる

      ちょっと離れた公園にあるゴーカートに乗りたいと息子3歳が言うので、妻と3人で出掛けることに。 アパートの前の駐車場にとめてある車に近寄り、いつものようにスマートキーで鍵を開けようとするが、反応しない。 スマートキーの電池切れかも。 こういうときはスマートキーから鍵の部分を取り出して鍵穴に差し込むことで物理的に鍵を開けることができる。以前もこんなことがあって、電池を買うまではそれで乗り切った。 同じように、鍵を開けてみる。 ブーッ、ブーッ、ブーッ…盗難防止のブザーだ。

      • 【日常生活】プハーッ、体に悪いラーメンだぜ

        二分脊椎症の息子3歳が週に一回、デイ(児童発達支援)に通うようになり、昼間は少し時間ができた。 昼食だけだけど、ご飯の面でも同じで、やれ野菜がどうだの、味付けはどうだの、ということに頭を悩ませなくてもよくなった。 これを好機と見て、最近流行りの冷凍ラーメンお取り寄せをやってみた。一食800円程度だけれど、具までついてくる。お店と同じものが届くので、量は基本的に多めで、お得感も。 妻は、煮干しの効いた塩ラーメン、私はレンゲが立ちそうなくらい濃厚なタレがウリのつけ麺。 外

        • 【日常生活】ファミリーセットください

          休日は、私と妻で交互に「自分時間」をとるようにしている。二分脊椎症の息子3歳の導尿を中心に生活が回っていて、そこに家事が加わるため、どうしてもお互いに煮詰まってしまうためだ。 ある日は妻が自分時間を取り、別な日は私が取るという具合。ここしばらくの私の時間の使い方はヒトカラか焼き肉。時間が限られるときは焼き肉になる。 妻はいくらお金を使おうが口出しをしないけれど、私が注文するものは決まっている。ファミリーセットである。カルビやロース、鶏肉、豚バラなどが3人分ついている。

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        • 二分脊椎症の息子とのあゆみ
          81本

        記事

          【考え事】ドローンが見せてくれる世界

          旅番組が好きだ。このご時世、なかなか旅行できないこともあり、非日常が味わえる映像を眺めるのは、数少ない癒しのひとときとなっている。 最近では、普通の旅番組でも、ドローンを使った俯瞰映像が当たり前に。ローカル線がカタカタ走る背景には、はあー、こんな雄大な世界があるのか。お世辞抜きに、ため息がでるほど美しい。 目の前の景色は、ドローンを超えられるかふと考える。 ドローンで見られる景色は、人間が通常、見ることができない角度だ。ということは、お金をかけてわざわざ旅行しても、その

          【考え事】ドローンが見せてくれる世界

          【考え事】新聞と似てる!と思うもの

          小学校の6年間、ずっと「小学●年生」を買ってもらっていた。低学年のうちは付録が多い代わりに薄かったのが、高学年になるにつれて付録が減り、分厚くなっていく。 なんだかんだ言って、楽しく読んでいたが、小学校を卒業するころには、学年雑誌を読んでいる友人は誰もいなかった。 ターゲットは誰なのかこの学年雑誌は、どんな人をターゲットにしていたのだろう。 とりわけ高学年のラインナップはカオスとなっていた。 私の世代で言えば、ポケモンやザ・ドラえもんズ(!)といった漫画。切手のような

          【考え事】新聞と似てる!と思うもの

          【ニブセキの息子】二分脊椎症の息子3歳、通園先が決まりました

          振り返りを含む、やや長い内容です。 二分脊椎症の息子3歳の、春からの保育園の通園先が、第7希望で無事に決まりました。1年近くの保活。はー、長かったというのが、正直な受け止めです。 私たちが住んでいる街は、園児の受け入れ要件として、就労だけでなく、遅れがみられる子どもの発達を促す「発達支援」という枠組みがあります。その枠組みでの入園を目指し、一年ほど前から、近隣の園にアポを入れては見学して…というのを繰り返してきました。 はじめは肢体のサポートを重点に保活スタート時点で、

          【ニブセキの息子】二分脊椎症の息子3歳、通園先が決まりました

          【ニブセキの息子】誰かのために、という気持ち

          息子3歳には、「誰かのために」という気持ちが少しずつ芽生えてきたように感じる。 最近、ミニカーだけでなく積み木でその駐車場を作るのにハマっているのだが、私が帰ってくると、作られたままの積み木が置いてあって、妻がひとこと「●●ちゃんが、パパに見せるのって言ってたよ」と。妻が作ったトミカのレールも「パパに見せてね」と言づてするのだとか。 自分だけが満たされればよかったという世界から、少しずつ、まわりの人に働きかけて、それでうれしさを覚えるような感じ。 あれは嫌、これも嫌、と

          【ニブセキの息子】誰かのために、という気持ち

          【ニブセキの息子】何を差し置いてもまずは、食べてもらいたい

          息子3歳を念頭に置いた日々の昼食づくり。そりゃ、栄養バランスの整った、体も心も健康になれるようなレシピがベストだけれど、そうはうまくいかない。 ひとつは、材料自体が整わないケース。あっ、お肉がない。卵もない。缶詰もない。たんぱく質…。よし、ここはひとつ、冷凍室の秘蔵っ子に出てきてもらって、という場合。 それよりも多いのは、息子が食べるものから優先的に献立を組み立てた結果、バランスが崩れてしまうことだ。 たとえば今日のお昼は、レトルトの素を使った鶏五目の炊き込みご飯にオイ

          【ニブセキの息子】何を差し置いてもまずは、食べてもらいたい

          【ニブセキの息子】ウンのツキ

          ちょっと汚い話です。 二分脊椎症の息子3歳。 浣腸で大量のうんちが出たオムツを変えたはずなのに、くさい。 おならじゃない。もっと根源的なくささだ。 においはどこから? 妻が部屋、そして息子を前に鼻をクンクンさせる。 元凶が分かった瞬間、妻は息子の名前を叫んだ。「キャーッ!」 妻の目線の先は息子の左手。中指の爪先に、茶色いものがこびりついていた。どうやら、おむつの緩い部分から手を突っ込んでおしりを掻いていたことが原因のようだった。 おむつを替えてからしばらく、息子

          【ニブセキの息子】ウンのツキ

          【ニブセキの息子】足が内側に向く歩行の原因は…

          二分脊椎症の息子3歳、久々の通院日。気になっていたことを、整形外科の先生に聞いてみた。 装具をつけてそれなりの距離を歩くようになった息子。その息子の右足が、歩くときに内側へ寄っているのでは?という問題。装具の作り直しで済めばいいけれど、これで手術になったらまた感染拡大の中、不便な入院をしないといけないし、嫌だなあーと思っていた。 先生からは意外な反応先生からは意外な反応が返ってきた。 「大丈夫。まずはどんどん歩かせましょう。歩く喜びをもっと味わってもらって、経験を積んで

          【ニブセキの息子】足が内側に向く歩行の原因は…

          【趣味の話】好きなアーティストを、どう愛し続けるか

          昭和ギリギリ生まれの私。中学のときから、あるアーティストにハマっていた。アルバムやDVDだけでなく、シングルビデオ(VHS…)もテープがダメになりかけるほど見たし、大学時代はライブにも遠征していた。 90年半ばから活動していたそのグループ。大学時代の2000年代後半ごろはすでに人気のピークは過ぎていたが、限りあるバイト代の活用先としてここを一番に挙げていたのは間違いなく、青春時代を共に過ごしたといってもいいかもしれない。 いつしか足が遠のいてそのグループから心が離れてしま

          【趣味の話】好きなアーティストを、どう愛し続けるか

          【ニブセキの息子】小児病院にひとつだけ抱く不満

          二分脊椎症の息子3歳がお世話になっている小児病院は、全国的にも恵まれた設備で、先生や看護師さんの対応にも、ほとんど不満がない。通院が三カ月くらいあいても、息子の顔を見ればすぐに「◯◯ちゃ〜ん、久しぶり」「大きくなったね」と駆け寄ってきてくれる。 売店のラインナップも以前に比べれば増えた。松屋のお弁当が選べるのが、豊かな付き添い生活の助けになっていることは以前に書いた。 そんな病院に、ひとつだけ不満がある。それは、 病棟内の付き添い入院用シャワーが女性専用であることだ。父

          【ニブセキの息子】小児病院にひとつだけ抱く不満

          【ニブセキの息子】親の知らない我が子の姿

          「児発」に週一で通う息子二分脊椎症の息子3歳は昨年末から「児童発達支援」の施設に週一で通っている。このnoteで「デイ」と記載しているものがそうで、世間的には「児発」と略されることが多いという。 発達に遅れがみられる場合や、医療的ケアの必要な未就園児が通うことのできる施設で、受給証を発行してもらうことにより、負担額はひと月に上限数千円程度。息子の成長促進だけでなく、妻の負担軽減にもつながるため、ありがたく使わせてもらっている。 息子の施設の場合、車の送迎つきで、遊んだり食

          【ニブセキの息子】親の知らない我が子の姿

          【考え事】炎上を避けるための、行間を埋める説明や配慮、お断り

          noteやTwitterで文章を書いていると、「変なふうにとられたくない」とか「誤解を招きたくない」というような思いが頭をよぎる。炎上している現場に出くわすと、そりゃそうだという明らかな理由がある場合もあれば、言いがかりに近いのではと思える時も。そんなときは、書き込んだ人の心中を察してしまう。 変にとられないように、と考えると、エクスキューズになるようなくだりや、補足説明が増えてしまう。ネット社会の片隅であっても、近所迷惑になるボヤ騒ぎは起こしたくないし、でも伝えたいことは

          【考え事】炎上を避けるための、行間を埋める説明や配慮、お断り

          【思い出】大学受験の前日、阿佐ヶ谷のホテルで

          やや、刺激のある内容です。 時は2000年代。atoatokoは大学受験を控えていた。 我が家はいくつも大学を受けられるほど経済的に余裕があるわけではない。受験料だけでなく、往復や宿泊のお金もある。 それに、いっぱい受かっても、行ける大学はひとつ。受験の日に学校を休むのも、もったいない。むだにまじめな思いもあり、受けたのは合わせて三つの大学。このうち一つはセンター試験利用のすべり止めで、直接足を運んで試験に臨んだのは残り二つの大学だった。どちらも、欠席が最小限になる土日

          【思い出】大学受験の前日、阿佐ヶ谷のホテルで