「やさしい人」の欠点
さりげない行為で相手が困っているであろうことをフォローしたり,気配りをしたりする人がいます。
次の人が入ってきそうなところで扉を押さえておくというのもそうですし,お年寄りや妊婦さんにさりげなく座席を譲るということも,困惑の表情を浮かべている人がいればその様子を察知して声をかける,といったこともそうです。
正直言って,私はそういうのが本当に苦手なのですよね……。
さりげなく他の人のことを考えてさっと行動できる人には何度か会ったことがあるのですが,本当にそういう行動ができることを尊敬します。
いわゆるやさしさを表す性格特性があります。それは協調性(調和性)です。英語ではAgreeableness,頭文字をとってAと示されるときもあります。
協調性が低いキャラクターはいくつか思い当たります。
たとえば,ベネディクト・カンバーバッチが演じるシャーロックです。
他の人のことを考えず,ずけずけと間に入っていったり,相手のことを気にせず発言したりする,そういうキャラクターが協調性の低さの特徴です。
なんといっても,シャーロックは劇中自分で "I am a sociopath!(自分は反社会的人間[社会病質者]だ)" とセリフで言っていますからね。協調性の低さは折り紙付きです。
同じようなキャラ設定は,Huluオリジナルのドラマで竹内結子演じるシャーロックもそうです。やはり,相手のことを気にせずズケズケと入っていく様子が描かれています。
同じシャーロック・ホームズでも,勤勉性の記事で紹介したロバート・ダウニーJr演じるホームズは,キャラクター設定がちょっとルーズでだらしないイメージの方向に寄っていて面白いなと思います。
あと協調性が低いキャラクターと言えば,ハリーポッターシリーズのドラコ・マルフォイはじめ,ハリーに敵対するキャラクターたちを思い出します。
ハリーポッターって,全体的に登場人物たちの協調性が低くて,観ていてちょっと疲れるときがあります……私だけでしょうか。
目次
協調性の特徴
協調性の特徴は,他の人々の心の状態に注意を向けることです。
協調性が高い人は,他の人に共感しやすく,自分の利益よりも他の人の利益を優先して考える傾向があります。人当たりはあたたかくやさしく,思いやりが感じられます。他の人を基本的に信頼しており,悪い面を見ようとはしません。とげとげした雰囲気がない人物を思い浮かべてもらえば,それが協調性の高さのイメージです。
まさに協調性は「やさしさ」という日本語にぴったりな性格特性だと思います。
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