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ナルシストは自分が賢いと思うのか

割引あり

知能という概念はいまから百年以上前につくられたもので,これまでに心理学のみならず社会の中でも大きな影響力を持ってきた概念のひとつです。実際に研究の中では,知能(知能検査によって測定された結果)の高さは,仕事の面でも学業成績の面でも,健康の面でも長寿の面でも,人生にとってよい結果をもたらす心理特性であるという地位を確立してきました。


自己認識された知能

しかしまたその一方で,自分自身を知的だと認識する傾向,つまり自己評価された知能の高さも,現実の様々な結果に影響することが分かっているそうです。

研究の中では,大多数の人が自分自身の知能を過大評価する傾向があるそうです。また,自分自身の知能を高く評価する人は,幸福感,実際の学業成績,自分自身の評価の高さにも関連するそうです。

暗黒面

とはいえ,「過大評価」が問題にはなりそうです。現実と自己評価が大きく乖離すれば,実際の活動にもネガティブな結果をもたらしてしまうかもしれません。

そして,この過大評価に関連しそうなのが,自己愛(ナルシシズム)です。自分自身に対して強くポジオティブナ感覚を抱く傾向ですので,やはり「自分を賢い」と思っていそうです。でも,実際にどれくらい関連があるものなのでしょうか。気になりますよね。また,ほかの人と比較したときにも,ほかの人を「賢くない」,自分を「賢い」と評価しがちなのでしょうか。このような観点から検討を行った研究があります。こちらの論文を見てみましょう(I'm smart, you're dumb! Narcissistic admiration and rivalry correlate with self- and other-assessed intelligence)。

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