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強欲さは痛みに通じる?
強欲傾向という心理特性があります。これは,「なんでも欲しい」「いくらでも欲しい」という飽くなき欲求を表す傾向のことです。強欲傾向の持ち主は,常に多くを望んで,現在持っているものに満足できません。
強欲というのはカトリック教の7つの大罪のひとつにも挙げられるほどで,人間にはつきものの傾向だと言えます。
共感との関連
強欲傾向が強い人は,他の人に共感するのでしょうか。いや,きっとしなさそうですよね。自分が多くを得ることに夢中になっているわけですから,他の人のことは考えなさそうです。また,強欲傾向はダーク・トライアド(マキャベリアニズム,サイコパシー,ナルシシズム)にも関連するのですから,さらに他の人の気持ちを理解して同じように感じる共感とは無縁になりそうです。
一方で,痛覚アラーム理論という考え方があるそうです。何かが欲しいという欲求があることは,環境のなかにアラーム(警告)となるものを心の中にとどめておき,不満足になる可能性になることを意味します。欲張りな人は現実に満足することがなく,常に不満足な状態に陥ってしまうということです。
そしてこれらのあり方は,「痛み」にも共通するのだそうです。もしかしたら強欲な人というのは,他の人の痛みや,自分自身の痛みにも敏感であるかもしれません。
しかし実際に,損なことは起こるのでしょうか。強欲傾向と他者の痛みの認識,自分自身の痛みの経験との関連を検討した研究があります。結果をこちらの論文で見ていきましょう(The bright side of dispositional greed: empathy for pain)。
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