おおまかなタイプに分けるとどうなるか
人間をその性格によって大まかに分類すると何種類に分かれるか,という研究があります。
私たちは分類するのが大好きといってもいいくらいです。学問の基本も分類です。世の中にあるあらゆるものを分類して,記述して,整理することからものごとの理解は始まります。
人間に対しても同じで,古来から分類して理解しようとしてきました。さて,研究ではどうなっているでしょうか。
心理ゲーム
普段目にする心理ゲームの多くも,分類に基づいています。たとえば「あなたはどれを選びますか?」という形式のものです。そうではなくても,結果を示す名から「あなたは○○タイプです」と表現されることも少なくありません。
分類は,わかりやすいことが最大のメリットです。「あなたはこのタイプです」と言われれば,その特徴が明確になる……ように感じられます。
ただし,分類のデメリットは,中間的な人もどこかにむりやり分類を強いてしまうことや,分類されるとその中の人はみな何らかの典型的な特徴をもっているものだと考えてしまいがちなことなどにあります。
3類型
これまでパーソナリティを扱う心理学のなかでは,人間全体をおおまかにカテゴリに分けると「3類型になる」ことが繰り返し示されてきました。
このカスピの研究では,3歳から21歳にかけての気質からパーソナリティへの発達が検討されています。そのなかで,3つの類型が示されています。
◎Well adjusted:よく適応している,心理的に適応的なタイプ
◎Undercontrolled:衝動的で落ち着きがない,注意散漫なタイプ
◎Inhibited:無口でびくびくする,見知らぬ人に会うと動揺しやすいタイプ
もうひとつ,こちらのAsendorpfの研究(ちゃんとした名前の発音の仕方を忘れました…)でも,パーソナリティからおおまかに類型を導いています。この研究では,ビッグ・ファイブ・パーソナリティから類型を導いています。
◎Resilient:神経症傾向が低く,外向性・開放性・協調性・勤勉性が高い,心理的に適応的なタイプ
◎Overcontrolled:神経症傾向が高く,外向性・開放性が低い,不安定なタイプ
◎Undercontrolled:神経症傾向が高く,協調性・勤勉性が低い,抑制が効きにくいタイプ
Typeness of personality profiles: a continuous person‐centred approach to personality data
4類型
最近,ビッグ・ファイブ・パーソナリティを用いてもっと大規模な調査を行うことで,4つの類型を導くことができるという研究が発表されています。調査対象者数は,なんと150万人です。
この論文は,記事にもなっています。
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