《詩》 雪華簾
深緑の林、真白の雪の錦に覆われ、
一陽来りて、その華簾は桜雨となりぬ
千千に舞い散る濡れ紅葉の如き、
いずれの世に過去の景観を見る
朧月の光、揺らぐ枝々の薄陰
儚きは宿命なれど、消えずして色黯む
樹高き桜斗りの花の下、
那美し人ゆえ身を沈める緋鳳仙の淵
氷滑かなる川面を往き還りて、
清らなる魂は旅路に酔ひ痺れながら、
朧と見ゆるは楡 quadrillion の彼岸の里
天人垣の桜は、誘月頃
満天の星群れしく瞬き、天祥雲の間、季節到来
桑実も実らず朗月濁り輝く
月星渡る、いかなる夢、この世に見む