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【実質0円大学生活のすすめ】第42回:大学図書館を使いこなす(5):本の森を散策してみる02

(前回のつづきです)

書架の森を散策してみる

そんなときには、図書館という「本の森」を散策してみましょう。自分の専門エリアとは直接関係がない本が集められているところに、探検気分で足を踏み入れてみるのです。

たとえば、日常的に3F技術・工学エリアしか使わないのであれば、2Fの文学エリアの書架の間を歩き回ってみます。左右にさまざまな本の背表紙が並ぶ「森の小道」を散策してみるわけです。日本文学から、英文学、フランス文学など、なんとなく聞いたことがあるような作家の名前が目に入るかもしれません。

たとえば、いつもはあまり足を運ばないBFにある洋書エリアに行くのもよいかもしれません。日本で出版される書籍は、装丁やサイズが比較的揃っているものが多いのですが、洋書はバリエーション豊かです。和書の森が白神山地のブナの森だとすれば、洋書の森は熱帯雨林のカラフルな植物の森のようです。

そして、そういう本の森を散策すると何が起こるのでしょう?

なんとなく、ぼーっと背表紙を眺めながらあるいていると、本のほうから語りかけてくるような気がして、背表紙の文字や色や、場合によってはシミに目が止まる瞬間が訪れます。

そうなったら、素直に手を伸ばしてその本を書架から抜き取り、パラパラとめくってみましょう。書店とは違って図書館は立ち読み仕放題。手にとった本が新刊書であっても - めったにないですが - 何も気にする必要はありません。

おもしろそうだなと思えたら、近くの閲覧席に座って、とりあえず「はしがき」と「あとがき」を読んでみます。ここを読めば、だいたいの内容と著者の姿勢がわかります。

これは!と思えたら、そのまま読み進めるか、借り出してカフェでお茶でも飲みながら、その本の世界を散策すればよいわけです。気がつくと、新しい世界に足を踏み込んで、新しい知識を得て、新しい自分になっていることでしょう。「わかるはかわる」ことなのですから。

このように、図書館を「森」と考えて、散策するように館内を巡っていると、「まとまった情報源」として目的をもって探しているときには体験できなかったような、本との邂逅が楽しめることでしょう。

今日のまとめ

本の森を素直な気持ちで散策していると、本のほうから語りかけてくるような体験をすることができる。そのような知的な出会いが楽しめるところも図書館の魅力といえる。


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