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コストダウンは方法よりも心構え

どうも、アトリエタカキです。

2020年に始まったコロナ禍以降、住宅の価格は高騰し続け、高止まりしたまま改善される見込みも立たない昨今、どこの業者に依頼しても坪単価が100万を超えるのも当たり前の世の中になってきました。

ハウスメーカーで家を建てた人たちの声を聞いてみても、当たり前のように5000~6000万(※地域による)かかったといいます。

もはや、設計事務所に依頼して、工夫を凝らせば設計・監理費込みでももっと安く抑えられる可能性が現実的にあり得るような状況です。


いずれにしても、マイホームにかけられる予算には誰しも限りがあります。大半の方が何とか少しでも安く抑えたいとお考えでしょう。


そこで今回は、どうすれば家づくりでコストを落とすことができるか

について話をしてみたいと思います。

結論から言うと

外装・内装材のグレードを落とすこと以上に

設備のグレードを落とすこと以上に

面積を減らすこと

です。

そりゃそうだろ!となるかもしれません。

面積を減らせば、建物が小さくなるわけですから、
必要な足場の量も、型枠の量も、地盤改良の面積も、基礎に使う砕石や鉄筋の量もコンクリートの体積も、柱梁、土台の長さや数も、合板やボードの枚数も、断熱材の量も、屋根ふき材や防水シートの面積も、造作材の量も必要な仕上材の面積も、ごっそり減ります。

言い換えれば、広さを求めれば求めるほどに、それらすべての量が積もってコストはどんどん跳ね上がっていく。

そんな当たり前のことを言いたいわけではなく
わたしたちが伝えたい「面積を減らすこと」の真意は

必要としているにもかかわらず消去法的に面積を減らそう。

ではなく

あなたが頭で必要だと思い込んでいる面積を減らそう。

という意味です。

たとえばあなたが32坪は欲しいと考えていたとして、それは自分で検討して導き出された広さですか?ほんとうに必要なのでしょうか?
もし、他人から見聞きしたり、一般的にそれくらいは必要なんだろうという漠然としたイメージや先入観で言っているのであれば、それは早計です。

子どもたちはいつか巣立ってゆきます。将来、空き部屋になる可能性があるのに、どこまで設えておくべきでしょうか?
ひとつの部屋をあとで間仕切ることもできます。空き部屋として放置するのではなく、予め想定しておけば将来他の使い道ができるかもしれません。

年老いていくほどに、家を管理することが負担になっていきます。
部屋が多いほど、広いほど掃除も大変です。
もっと小さい家で良かったと後悔することもあるかもしれません。本当に必要な部屋かどうか現時点で判断できなければ、増築できるよう想定してつくることもできます。

広いLDKを何に使うのか。本当に25畳も必要か?
リビングで走りまわるの?ソファとTVを置いて座るだけ?どんな大きさのリビングテーブルを置くの?キッチンはどうして対面がいいの?

そんなに部屋数がたくさん必要?子ども部屋にそんな広さが必要?
収納はそんなにいる?心配から必要以上に求めてしまってはいないか?

浴室は?トイレは?洗面所は?もっと小さくもできます。

思っていたほど面積が必要ないと気づいた方の中には、そのぶん仕上げや設備にちょっとだけ贅沢にお金をかけたいと思っている方もいるでしょう。

………
言い出したらきりがないのでこの辺にしておきます。

わたしたちは住宅を考えるとき、施主と一緒にこういった検討をたくさん重ねます。施主が考えたうえで必要だと判断するのなら、否定はしません。
結果として27坪程度に納まる家族もあれば、どうしても33坪は必要とする家族もいます。人それぞれなので、それでいいんです。

ただ、闇雲に家づくりを進めてしまうのは、あまりにもったいないということを言いたいのです。
コストを少しでも抑えたいのであれば「間取り」を考える時点からしっかりと考えたほうがいい。仕上や設備をどうするとか、断熱がどうとか悩むのは次の段階の話です。

専門知識や経験が必要になってくるので、それを家族だけで検討して判断するのはひじょうに難しい。
だからこそ、十分な知識を備えた設計者を頼り、納得いくまで検討していくことをおすすめしたいです。



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アトリエタカキ|ゆるゆる建築家夫婦
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