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ふたりの暮らし

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だいすきな夫との、ゆるい生活日記。
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#恋愛

秋めく朝、君の心臓の音

秋めく朝、君の心臓の音

ふいに目が覚めた。

午前4時、夜と朝の境界線。
窓の外は、ほんのりと明るい。

隣では、彼がこちらに背を向けて寝ている。

心地よい微睡みの中、半分手探りのような状態で後ろからそっと抱きついた。小さな寝息と規則正しい心臓の音が、背中越しでわたしの耳に届く。

ああ、生きている、と思った。

彼は生きている。その事実が、決して当たり前なんかじゃない日常が、この瞬間が、急に愛おしくなって、泣きたくな

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“思い出”を手放すとき

“思い出”を手放すとき

「え?」

右手に持ったおたまを、落としかける。

「車を売ろうと思う」

仕事から帰ってきた彼は、いつもと変わらない様子で話しかけてきた。もう一ヶ月も前のことだ。

「どうして?」

それ以外、言葉が出てこなかった。車を売る理由なんて、私には一つも見当たらない。

彼は自分の考えを淡々と述べたが、私はそれを飲み込めずにいた。

お互いの譲れない気持ちが、静かにぶつかり

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