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なかがわ あすか
2018年9月23日 14:33
ふいに目が覚めた。午前4時、夜と朝の境界線。窓の外は、ほんのりと明るい。隣では、彼がこちらに背を向けて寝ている。心地よい微睡みの中、半分手探りのような状態で後ろからそっと抱きついた。小さな寝息と規則正しい心臓の音が、背中越しでわたしの耳に届く。ああ、生きている、と思った。彼は生きている。その事実が、決して当たり前なんかじゃない日常が、この瞬間が、急に愛おしくなって、泣きたくな
2018年7月21日 00:08
「え?」 右手に持ったおたまを、落としかける。 「車を売ろうと思う」 仕事から帰ってきた彼は、いつもと変わらない様子で話しかけてきた。もう一ヶ月も前のことだ。 「どうして?」 それ以外、言葉が出てこなかった。車を売る理由なんて、私には一つも見当たらない。 彼は自分の考えを淡々と述べたが、私はそれを飲み込めずにいた。 お互いの譲れない気持ちが、静かにぶつかり