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ロッテリアの英語メッセージを見て感じたこと

ふらりと立ち寄ったロッテリアでかたやポテトをつまみ一方でシェーキーを飲みながらくつろいでいたら、何気なく書かれた英語のメッセージが目に入った。

"tasty hamburgers, a delicious fried potatoes, and a good coffee"
香り高いハンバーガー、絶品のフライドポテト、そして美味しいコーヒー。

日本語にすると特に何も気付くことは無いものの、英文にふたつのaがあってこれが気に留まった。

もしこれが
"tasty hamburgers, delicious fried potatoes and good coffee"
ならどうだろう。
香り高いハンバーガー、美味しいフライドポテト、うまいコーヒー。

ありふれた英語圏の広告なら、こういったより自然でフランクで、ポテトやコーヒーで引っかからない表現をするだろう。

aという冠詞が入ると、その後の単語がより強調されて受け止められる。わざわざハンバーガーの前に入れなかったのは、「ハンバーガーは定番」というメタメッセージだろうか。

ーーー

“one bite or a drink will always give you a smile”
(その)一口がいつもあなたに笑顔をくれる。

"a smile"という名詞の表現と、”give you a smile”という受動的な表現。

“make you smile”
あなたを笑顔にする

でもなく、「笑顔」をくれる。と言っている。”make you smile”の笑顔と比べて、ひとりひとりの笑顔があるとも捉えられるだろうか。

もっとハイテンションに、遊び心を加えるなら、すべて自動詞を使って表現したい。
“bite it, drink it, love it!”
齧ろう、飲もう。愛そう。
"bite it, drink it, taste it!"
齧ろう、飲もう、味わおう。

マクドナルドのキャッチコピー
"I’m loving it!”
マジでハマってんだ!
くらい熱量を持った感じで笑
ビーチに居るようなアクティブな雰囲気で、アメリカの広告キャンペーンの感じ。

ーーー

"Let's share a moment full of smiles together"
笑顔に溢れたひとときを共に分かち合おう。

"a moment"
は、
"the moment"
と比較したとき、「どんなひとときも」というより広いイメージを持った言葉になる。

“share the moment”
と言ったら、「このひと時を」と主観的な「この」というニュアンスが入ってしまい、その言葉を言った人が良いと感じる「ひと時」をシェアしようというニュアンスになる。
しかし、
"share a moment"
は「ひと時」を共有する、としか言っていない。すなわち、theとして想定できるひと時に限定しないことでどんなひと時も歓迎しているような表現と捉えられる。

このロッテリアの文章はロッテリア内に設置されていたにもかかわらず、一つも”the”を使っていない。あえて"the"を使って
"the good coffee"
と言えば、「その美味しいコーヒー」としてロッテリアのフードを際立たせられるが、そういった使い方はしていない。
“the moment”
とも言わずに、ゆるやかに
"we love LOTTERIA"
で終わる。

何だか、そこには穏やかながら少し長い時の流れと、いつまでも好きでいる、というメッセージがあるように感じられた。

I’m loving it!
We love LOTTERIA.

どちらの愛がより深く長いだろうか。

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