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【接待のお店の選び方】できる秘書が実践している3ステップ

秘書の主な業務の一つとして「接待のアレンジ」がある。
上層部のお客様付き合いが多い役員秘書として、接待のお店選びはなかなかに神経を使う。

プライベートの食事会で「ちょっと遠いけどここの料理が一押しだから行ってみよう」は通用するが、ビジネスの接待の目的は「おいしい食事をすること」ではなく「ビジネスの前進」である。

グルメサイトで「○○(地名) 個室 接待」などと検索しても星の数ほどの飲食店がヒットし、何を基準に選べばいいか迷ってしまう人は多いのではないだろうか。

そこで、現在進行形で秘書業務を務めている中で「接待のお店選びで意識していること」を取り上げてみようと思う。

1. 場所

ゲストがどのような交通手段でどちらからいらっしゃるかにより、お店の選択肢が変わってくる。

例えば、地方からお客様が都内にいらっしゃり、会食後は新幹線でお帰りになるとする。
その場合は、東京駅または上野駅から近くのお店を選ぶのがいいだろう。
土地勘が無い人に、地下鉄や私鉄を乗り継いで行くような駅までお誘いするのは酷である。

また、ゲストのご自宅の方面や最寄り駅を知っていれば、電車1本でお帰りになれるエリアが喜ばれるだろう。
一方、運転手付き社用車でいらっしゃるような重役の場合は、駅チカにこだわらなくても大丈夫だ。

ゲストの「会食前後の動線」を考えることでエリアを絞ることが最初のステップである。

2. 食事

接待の目的は単なる食事ではないと冒頭で述べたが、とはいえ食事も大切である。

場所を選んだあと、ゲストの好みからジャンルを絞っていけば、お店の候補はどんどん絞られていくであろう。
ボスもしくは先方の秘書さんを介してゲストの好みをお伺いする際、ぜひ「苦手なもの」も忘れずに確認することを忘れずに。

こちらとの会話に集中して楽しんでいただきたい中、ゲストの苦手な食材が料理に入っていることで「無理やり食べないといけない」「避けて食べていたら行儀悪く見られるだろうか」というストレスで気が散ってしまわれたら勿体ない。

コース料理を手配する際に「苦手な食材はありますか?」と訊ねてくれる店が多いので、事前に伝えておくことでゲストが気持ちよく食事を楽しんでくれ、かつ食べ残しも予防できる。

3. お店の雰囲気・予算

接待するエリアが決まり、食事のジャンルも絞られたところで、最後にお店を一つに決める際に必要なポイントは「お店の雰囲気」「ひとり当たりの単価の予算」である。

ビジネスの場では何かとコンフィデンシャルな会話が多い為、隣とのテーブルの感覚が狭くワイガヤ系のお店は向かない。
ボスからのリクエストがない限りは「個室」を確保することが無難であろう。

逆に、長年のお付き合いがあり仲良しな間柄の方とのカジュアルな場であれば、超高級店の個室はかしこまりすぎる。

また、このご時世では感染症対策が十分なされているかも確認しておくといい。
ゲストが喫煙者の場合は、喫煙所の有無や場所もあらかじめ把握しておこう。

予算に関しては、私は基本的にひとり1万円前後のお店を選ぶようにしており、ゲストの役職に合わせて更に予算がアップしていく。

また、コースを手配する際は少なくとも「下から2番目以上の金額」のものを選ぶようにしている。
お店のHPやグルメサイトを見ればメニューや金額が分かるので、万が一「あそこの会社は低予算でケチって扱われている」と見なされたら損だからだ。

接待は、いわば契約を結び売り上げを立てるための「先行投資」だ。
1回数万円の食事で何百万・何千万の受注をゲットできると思えば安いものである。

喜ばれるお店選びをしよう

お店を選ぶポイントがいくつか挙げてきたが、根底にあるのは「ゲストに喜ばれるひと時を演出したい」というおもてなしの心である。

また、先方からご招待頂きとても居心地がよかったお店はぜひ自分の「接待の店リスト」に追加していくのがオススメだ。
そのお店は、自分と同様先方の秘書さんが頭フル回転で考えて決めた「とっておき」だからである。

秘書という仕事は、営業などと違い業績で直接的な評価が出来ない職種である。
だが、自分の担当ボスはもちろんのこと、お逆様へのおもてなしを通じてビジネスが前進すれば、秘書として「業績に貢献している」と胸を張っていいと思うし、この仕事の醍醐味だ。

秘書ではない人も、職場の懇親会の幹事に任命された人も、参加者を「こいつ、やりおるな」と唸らせるお店選定をするのに、このブログが一役買えたら嬉しい。


もし接待の手土産も併せて用意する場合は、こちらのブログもぜひ参考にして欲しい。


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