
「答えは鍋の中にある」 チャイと子育てと仕事の話
毎日毎日飽きもせずに、雪が降っている。
毎朝10cmほどの雪をかく。
それくらいなら雪かき自体はしれていて、
運転も凍結してて大変だけど
なんとか頑張れば生活できている。
腰も痛いし、気も休まらないけど。
先日チャイレッスンに行った。
こういう習い事?は初めてで
とても新鮮だったし、
暮らしを楽しんでいる感じがとても好きだ。
うんざりする職場に通う毎日でも
楽しいことを見つけて生活したい。
今の職場の人達は
自分のことを大事にされないことに
慣れすぎていて心配する。
諦めているのか?
警報の中で普通に学校に来させるとか、
当たり前に働かせるとか
私には大事にされているとは思えない。
「交通事故に十分注意して」と言われても
もしスリップしたら
「だから言ったじゃないか」と言うんだろうな。
現実としては警報が出たくらいでは
命の危険はないのかもしれないけど
そうやって変わらないから特別警報が
作られたんじゃないの?
いちいち注意喚起のために、
記者会見するんじゃないの?
プロが危ないって言ってるのに、
大体問題ないっていうのはどうなんだ?
そして休む生徒に対してやる気がないと
冷めた目で見る。それが通常。
私がおかしいのか?
上の言うことには絶対従わないといけないのか?
東日本大震災以降、
「自分の頭で考えて行動しなさい」
そう言われてきたはずだけど?
何かあっても謝ってはくれるかもしれないけど
失った物は戻らない。
こないだ一緒に働く先生が行った言葉に
耳を疑った。
自分の子どもが専門学校に進学して
「所属の部の進学実績に傷をつけた」
「みんな優秀な大学に進学したのに。」
子どもさんは成績優秀だった。
でもパティシエの夢が諦められず
専門学校に進学を願い出た。
その勇気にも素晴らしいと思ったし、
応援したいと思った。
だからこそ、本当にショックだった。
そんなこと言ったらだめだと言えなかった。
言葉が出てこなかった。
まだそんなこと言ってんのかと思った。
別の先生が
「これから世界に羽ばたく
パティシエになるかもよ」
私は世界に羽ばたかなくてもいいと思う。
もちろん羽ばたいてもいいけど笑
自分の世界を大事に、
身近な人に幸せを届けたっていいじゃないか
世界に羽ばたけない人はみんな傷物なのか?
だとしたら、私たちはみんな傷物だ。
なんかとっても傷ついた。
親なんだから、肯定してやれよ。
思い通りにならなかった子に
傷ついているのかもしれないけど
その考えがたくさんの人を傷つけているかもよ。
彼はひとりぼっちだ。
理由は言わなくても分かる。
彼もしんどそう。幸せそうに見えない。
自虐ネタしかないし。
自分の家族を誇りに思えないって
本当に気の毒だと私には思える。
私には元不登校の子がいるが
私にとって、子は誇りであり
希望でしかない。
同じ場所にいることが苦痛だ。
自分の子どもが国公立大学に行ったことに
子育て成功したと思う人がいる。
いつの時代だよと思う。
土の時代の感覚だなと思うし、
きっと風の時代がもう少したてば、
自分が時代について行けてないって
やっとわかると思うけど。
みんなで笑っていることが笑えない。
私の感覚がおかしいのかと思ってしまう。
いやいや。
と自分を引き戻すための労力がもったいない。
自分に戻るためにチャイを入れる。
チャイを研究しながら、詳細をノートに書き残す。
レシピの紙を見ながらやっていたけど
大事なことを思い出す。
「これは何分ですか?
どれくらい入れるんですか?」
と質問したときに
「鍋の中を見てください。」
こんな感じになったら次に茶葉を入れる
って言ってたと思い出す。
「鍋の中を見よ。」
いつか聞いたことがある。
記憶をたどる。
そうだ。北欧暮らしの道具展のサイトの読み物で
枝元なほみさんの記事で読んだ。
師匠の「阿部なをさん」の言葉として
紹介されていた。
とにかく目の前のものをみて、やってみる。
料理にも生き方も正解は一つじゃない。
時々自分の今いる場所を見て
自分が間違ってるのかと
不安になることがあるけど、そうじゃない。
やっぱり今までそうだったからとか、
周りがこう言ってるからとかじゃなくて
自分が何を信じるかだなと
繰り返し思う。
今日はカルダモンを2粒。
シナモンステック、クローブ、
ブラックペッパーも入れる。
うっすらとスパイスがお湯に溶け出し
煮出されて色がついていく。
周りに立ち上る湯気が
スパイスの香りを連れてくる。
前の景色がスパイスの湯気で曇る。
目をつむって大きく息を吸う。
かじかんだ顔がほぐれる。

「ああ、幸せ」と思わず声が出る。
また鍋に目を戻す。
新しく買った茶葉(セイロン)を入れる。
泡がつぶつぶになって上がっては消える。
長いスプーンで茶葉を混ぜる。
色が均一になる。この色だ。
そろそろミルクを入れよう。
泡がふわーっと上がってきはじめたところで
火を止める。
きび砂糖を入れるとコクが出る。
ゆっくりとかき混ぜる。
茶こしでゆっくりと漉す。
たっぷりのマグカップに注ぐ。

ふと窓の外を見ると雪景色が広がる。
この景色を美しいと思える自分でいると決める。
ペットのハムスターと娘たちがくつろいでいる。
幸せの時間。
「鍋の中を見よ。
おまえはこれを幸せだと思うか。」
神様に問われている。
返事は、きっぱりとYES。
これでいい これがいい
私の世界は守られている。
料理も生き方も正解は一つではない。
私の生き方は鍋の中にある。