アスノコトノハ

人と人とをつなぐ文筆家。二足のわらじに挑戦中。 不登校のトンネルを抜ける子に伴走する母。 なりたい自分になるための過程を紡ぎながら、 誰かを支え、励ます存在でありたいと思って書いています♥

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最近の記事

はじまりのあの子 シロクマ迷走記2

はじまりは心臓疾患があり、 運動制限のある女子高生だった。 私は大学を卒業したばかりで、力も経験もなく 希望ばかり膨らんでいた体育の非常勤講師だった。 実際の教育現場のことをほとんどわからないまま、 複数の学校を掛け持ちして働いていて、 元気だけが取り柄の危なっかしさ全開の 若者だった。 勤務校の中には母校もあり、 知っていることと知らないことの 境界線も怪しかった。 その子は高校3年生だった。 慣れた感じで 「ずっと見学しています。  見学ノートをつけることで  評価し

    • 今の私だからできること シロクマ迷走記

      仕事復帰をしてからの私は 過酷な毎日に振り落とされないように 必死だった。   復帰直前に子どもが流行病になり、 (我が家初上陸!) おかげで看病という名の下に、 復帰3日目くらいまでは 2時間だけ、午前中だけ、昼過ぎまでと 少しずつ勤務時間を延ばし、 何とか一週間の最後に「一日職場にいる」 という勤務時間を過ごした。 毎日帰宅し子どもの様子を見た後は、 泥のように寝た。 多分相当緊張していた。 週に3回もマッサージに行き、 「何があったんですか? 今までにない体になっていま

      • がっかりされる覚悟  シロクマ逃亡記7

         水に肩の力の抜きかたを教えてもらいながら  体力の回復を図っていた前回のシロクマ逃亡記。  社会復帰前最後の逃亡記は  思いがけないものになった。  この病気休暇の着地点はどこか?  ずっと考えていた。  前回のシロクマ逃亡記までは、  「私は運がいい」大事にならずに済み、  引っ越しも終わり、体調も整って、  これからは自分の生活と仕事は  半分ずつ頑張る。  そんな生き方をしようと心に決めて、  仕事復帰するのが着地点になるはずだった。 でもたくさんの人に話を聞いて

        • 「力の抜き方」を水に学ぶ シロクマ逃亡記6

          生活を楽しむ余裕ができて 少しずつ元気が出てきた前回の逃亡記。 最近本来のパワーが戻ってきた感じがする。 休み初めて約3ヶ月。 仕事復帰に向けて体力の回復せねば。 少しずつ外を歩くようにした。 最近は夏が長くて、昼間は殺人的暑さが続く。 夕方になって日が陰りだしてから歩く。 初めはあの角を曲がったら帰る。 次は5分近所を散歩。 少しずつ距離伸ばして、 40分歩けるようになってきた。 昼間横にならずとも 過ごせるようになりたいと 焦る気持ちもあったが、 だんだん昼寝もなく

          強運の持ち主 シロクマ逃亡記5

          運の正体はタイミング だと聞いた。 とすれば、私は強運の持ち主と言うことになる。 前回の逃亡記から一ヶ月の間に 私には色々なことがあった。 前の家〔夕陽の家〕から、 今の家〔パンパー〕に引っ越しした。 パンパーに荷物を運び込み、 夕陽の家をきれいに掃除し、 たくさんのものを捨てた。 引っ越しはかなりの体力がいったし、 事務手続きや段取りもたくさんあったので かなり大変だった。 が、少しずつ体調を見ながら 自分のタイミングを大事にやったので 何とかやりきることができた。

          強運の持ち主 シロクマ逃亡記5

          『「しんどい」と思ったら、それはもう「しんどい」ということ』 シロクマ逃亡記4

          外出することに罪悪感を覚えながら、 自分的働き方改革を考える 前回のシロクマ逃亡記  自分が少し元気になったと感じたのは 部屋の電気を付け方の変化だった。 休み始めた頃は明るいのが辛くて 太陽の明るさならまだいいのだが、 煌々とした電気の刺激は 頭痛の原因になった。 特にお風呂は電気を消して、 ほの暗さにホッとしていた。 上がってからもしばらくは 暗くした部屋の布団の上で 過ごさないと動けなかった。 だんだん日常に戻っていく中で 明るさを取り戻したが、 気持ちのいい暗

          『「しんどい」と思ったら、それはもう「しんどい」ということ』 シロクマ逃亡記4

          罪悪感の正体 シロクマ逃亡記3

          寝たり起きたり 家事したりしながら だんだん元気になりつつある シロクマ逃亡記 その3 体調が良かろうが悪かろうが、 毎日ご飯は食べないといけない (食べさせないといけない)から、 時々スーパーへ行く。 できるだけ、人の少なそうな時間を見計らって。 買い物に時間がかからないだけでなく、 人目を忍んでいる感じ。なぜ? スーパーやコンビニ、ドラックストアも 子どもの送迎もまだ良い。 毎日の生活に必要なんだもの。 食べなきゃ死ぬし、子育ても待ってはくれない。 と、誰かに責められ

          罪悪感の正体 シロクマ逃亡記3

          シロクマ逃亡記 その2

          神様がくれた休み。 そう思って疲れた心と体を癒やして 自分をコントロール練習中の シロクマ逃亡記。 今までの私のことを知ってくれている人に 状況や気持ちを分かって欲しくて 何人かに話をしにいった。 皆さんよく話を聞いてくださった。 ありがたかった。 最後の心理士さんに 「仕事は休んでるけど、本当に頭休めてます?」 と聞かれて、ドキッとする。 これからの算段したり、 病院に行ったり、 人に今の状況を説明したり、 家事をしたり、 自分の心をのぞき込んだり。 「いやあ。休め

          シロクマ逃亡記 その2

          シロクマ逃亡記 その1

          このままでは病んでしまう。 と気がついて逃げようと思い立った決意までは 前回書いた。 それから一週間たってみて思うことは 余力があるうちになんて思っていたが 実はギリギリだったのだと気づいた。 休むと決意してから本当によく寝た。 体は正直でひたすら寝た。 朝も寝て、昼も寝て、夕方も寝るが、 夜も寝られる。 赤ちゃんみたいだ。 夢うつつに今までのことが 走馬灯のように頭を駆け巡る。 死ぬ前はこんな感じなんかな なんて考えつつ寝る。 早速病院にも行くが、日本全国どこでも メ

          シロクマ逃亡記 その1

          シロクマはハワイから全力で北極に逃げる

          転勤して2週間(まだ、2週間!!) 不安と不信を感じる日々だった 学校中から嫌われて 一緒に仕事した人は皆辟易し、 同じ部署の主任は連続で病む 強烈な特性を持つおばさんと組む仕事だった 重箱の隅の奥の端を平気で2時間 まくし立てる人 4月1日に2月のことまで話す人 「もう頭に入らないから明日にして。」 と頼んでから30分は平気で話す人 大事なことは1分で終わる話をだ。 大変だろうからと 追加増員されたおじいさんは そのモンスターに勝るとも劣らない 文句は素晴らしいけど

          シロクマはハワイから全力で北極に逃げる

          「晴れ」の私 別れの時に思うこと

          転勤が決まった。 転勤は想定の遙か外で、 受け入れるのに時間がかかった。 「なんで私が?」 「なんで今?」 「なんでその学校に?」 次の学校は進学校だ。 ここ10年の私はどちらかというと 優秀な子よりも学校がしんどい子や 発達障害の生徒を支えることを 日々の仕事にしてきた。 全くの方向転換だ。 10年前も進学校からの方向転換で 自分の居場所作りに苦労した。 やっとやりがいと 頼ってもらえる武器を身につけたのに。 人生は無常だ。 変わらないものはない。 特に春は。 一ヶ

          「晴れ」の私 別れの時に思うこと

          ありがとうに「いつも」を付ける

          相談室の先生である私が いつもサポートしている 高校生のいずみくんは、常に疲れている。 発達障がいの特性を持つ彼は、 対人関係が苦手でこだわりが強い。 「普通」の人が 直感的にやっていることでも、 気を張っていなければ 人の表情を読み取ることも出来ない。 常に人に気を遣い、 周りに溶け込もうと必死で カモフラージュを続ける。 そして時に対応を見誤り、 トラブルになる。 すぐに忘れてしまうので 提出物のプリントをいつも探している。 行事の日程が頭に入らず、 今どこで何をすれば

          ありがとうに「いつも」を付ける

          買い物を減らす実験をした結果の話

          買い物(お店へ行く)を減らす実験をした結果の話 昨年の秋から始めている生活改善運動。 必要ない物は手放す。 自分の中でよくよく考えて物を手に入れる。 なんとなく物を買わない運動。 特に服や小物などファッションに関して言えば、 今までの私を知る人からすれば ビックリするくらい買い物をしなかった。 そもそも私は高校まで部活ばっかりやっていて、 制服とジャージさえあればこと足りていた。 (平日は今もそんなに変わらない。) 興味はあっても田舎の高校生で、 たいした服も持っていな

          買い物を減らす実験をした結果の話

          ミートソースと味噌汁   ~「持続可能な私」であるために~

          「味噌汁の味が薄い。」と娘に言われて 思い出した話がある。 もうちょっと私にパワーがあった頃。 私の「自慢」で「矜持」で「戒め」の話だ。 学校の先生はブラックだと言われて久しい。 そのなかでも非常に手がかかる生徒しかいない 伝説のクラスの担任を 3年間持ち上がりで経験した。 手のかかる子ほどかわいい とはよく言ったもので、 頑張ったらこの子達の赤ちゃんの時の記憶が 思い出せるのではと錯覚するほどだった。 普通は教員って教える立場だと思うが、 その時の私は、悩んだり喜んだ

          ミートソースと味噌汁   ~「持続可能な私」であるために~

          ご機嫌の法則  別名:口角が上がる瞬間 (自然編)

          朝日に照らされる団地 洗濯物がもう干されている 見事なまでの青空 美味しそうにポカンと浮かぶ雲 雨上がりの虹 その下をくぐろうと車を走らせる時間的余裕 夕焼け しばし一日のいろいろを忘れてぼーっとする一瞬 オリオン座を見つける 細くなっている月を探す 積もった雪が溶けて 隙間から芽が出ているのを見つける 久しぶりにシトシト雨が降って 山や木がホッとしている カエルもホッとしている あじさいが並んでいる散歩道 梅雨明けしたと分かる外の空気 大量の洗濯物がぐんぐん乾

          ご機嫌の法則  別名:口角が上がる瞬間 (自然編)

          子どものSOSに気づく トラウマにしないために

          大変な正月になってしまった。 被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。 悲惨なニュースを見ていると、 いたたまれなくなって、目を背けてしまう。 その一方で目が離せなくなって、 ずっと辛いニュースばかり 追ってしまうこともある。 そして気が付かないうちに、 心に強い負担がかかり続けていることがある。 それは大人でも、子どもでも一緒だ。 うちの長女は大変繊細で ショック映像など頭に残りやすい。 うっかり自分が見ていたニュースの 衝撃的な場面をみせてしまい、 (そうはいっ

          子どものSOSに気づく トラウマにしないために