
満天の星⑤ 紫織さんVer.
このヒトには極力触れないつもりでいたのですが、書きたいネタなのでさらっと。
アストリア号のちょっと前のことです。
真澄さんのお見合い相手、鷹宮紫織さん。
鷹宮コンツェルン会長の孫にして、無菌培養された深窓のお嬢さまです。
その夜、真澄さんは鷹宮一族の会合に出席していました。
高級ホテルの超高層階と思われる窓から、ひとり夜空を眺めています。
そこへ紫織さんが呼びにきます。
「どうかなさいましたの? みなさんお待ちかねですわよ」
紫織さんはローブデコルテと長手袋をお召しです。やんごとない雰囲気を全身から放出しています。
「これは失礼。星を見ていたので」
「星?見えますの?こんなところで」
「ええ、目をこらせば。ほら…」
そこで紫織嬢、くすっと笑います。
「変わってらっしゃいますのね、真澄さま」
「紫織には夜空の星より、足元の輝く銀河のほうが魅力的ですわ」
そう言って、彼女は眼下のネオンの海をうっとりと見つめます。
ガーーン!
真澄さんのバックには巨大な「!」が。
そして脳裏にはマヤと満天の星を眺めた時の会話がリフレインします。
笑われた…! マヤはあんなに喜んだのに…!
て感じでしょうか。
紫織さんもあれだけ真澄さんのことが好きなら、ここは彼の言葉に合わせてテキトーに「まぁ綺麗!」とかなんとか言っとけばいいのに。
やはり何不自由なく育ったためか、相手の気持ちを慮ることが身についてなかったのでしょうか。
後日、真澄さんが意を決して紫織さんに婚約解消を申し出た時、その理由としてこのことを挙げています。
「同じ夜空を眺めていても、あなたとぼくとでは見ているものも感じ方もちがう」
と。
その会合を終えて、真澄さんはややご機嫌ナナメで帰宅します。
実は私の萌えポイントはここ↓
たったこの1カットです。
(チョサク権とか社長のショーゾー権とかありそうですので、モザイクをかけます)
いつもは家の使用人にも紳士な真澄さんがめっちゃ機嫌悪そうです。
で、ネクタイをゆるめシャツの袖をまくる。
…いいですねぇ。
男性が若い女の子に自分の知識を教えるのが好きなように、女性は男性がネクタイをゆるめシャツをまくるのに萌える、と思うのですが、いかがでしょうか。
ただしイケメンに限りますが。