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アイミ・カンタービレ〜小林愛実さん〜
特に用事のない休日の朝は、少し気合いを入れて掃除をします。
昨日の日曜日もそんな日でした。
そうだ、まだ観ていないクラシック音楽番組の録画を流しながら掃除しよう。
そう思い立ちました。
音楽を聴きながら床を雑巾がけするのが、けっこう好きです。
なにも考えずに黙々と拭きあげると、心も床もスッキリします。
流した録画は、この番組です。
小林愛実さん。
ご存じのとおり、昨年のショパン国際ピアノコンクールで見事4位入賞を果たした天才若手ピアニストさんです。
私、この方のリサイタルを観に行ったことがあります。
素晴らしかったです。
それ以来すっかりファンになりました。
昨日のお掃除タイム。
私は雑巾を硬く絞り、優雅なオーケストラの調べに乗って床を拭いていきました。
そこで、愛実さん登場。
あっ、愛実さんだ!
どれどれ。雑巾を持ったままテレビに近づきました。
そのまま、動けなくなりました。
手から落ちる雑巾。
その雑巾をくわえて逃げる愛犬。
テレビから流れるシューマン。
愛犬は私の顔をちらちら見ながら煽ってきます。
「これ、噛みちぎるで?ええのんか?ああ?」
微動だにしない私。目はテレビに釘づけです。
いつもならそこで雑巾の引っ張り合いが始まるのに、動かない私に愛犬もとまどっています。
すまん、愛犬よ。
いつもは犬ファーストだけど、今は、今だけはこれを見せてくれ。
リサイタルを観た時は、座席は前の方だったのですが上手だったため、愛実さんの手元がまったく見えませんでした。
しかし、さすがテレビ。
流れるような手の動きを舐めるように見せてくれます。
愛実さんはとても小柄な方で、手も小さいです。
あんな小さな手なのに、この目にも止まらぬ演奏はどうしたことか。
もしかしたら目には見えないもう1本の神の手があるのでしょうか。
そして表情。
時には切なげに眉をひそめ、時には恍惚として天を仰ぎ、時には背を丸めて嘆くように。
祈るように歌うように、彼女は鍵盤を自在に操ります。
すごい。
ボキャ貧で申し訳ないのですが、すごいとしか言えません。
でも、音だけは実際に聴いたそれとは大きく違いました。
どんなにテレビやCDの性能が良くなっても、生で聴く音には到底かないません。
あの、会場の壁や床をビリビリと響かせるような音。
耳だけでなく、心にも直接飛び込んでくるような調べ。
やっぱり生で聴く音楽は最高です。
この次は、同じく去年のショパン国際ピアノコンクールで2位になった反田恭平さんを観に行きたいのですが、地方にはなかなか来られません。近くに来られても即完売!泣
いつか生で観られますように…。