妄想戴冠式
皆さま、ごきげんよう。
連休も明日で終わりますが、楽しまれましたでしょうか?
え?
「いつになく投稿のペースが早いけど、ヒマなの?」
ですって?
何をおっしゃいますやら。
わたくしが今どこで何をしているとお思い?
聞いて驚きやが、いえ、驚きあそばせ。
わたくしは今、プライベートジェット機の中におります。
向かう先は、イギリス。
まもなく新しい国王さまの戴冠式が行われる、彼の国ですわ。
70年ぶりに戴冠式が行われるのですから、わたくしももちろんお祝いに駆けつけねばなりません。
ティアラやローブモンタントを新調し、準備を進めておりました。
ところが、招待状がまだ届きませんの。
どうしたことでしょう。
郵◯局さんがお忙しいのでしょうか。我が領土が広すぎて迷子になっているのでしょうか。
仕方ありません。
わたくしは自前で印刷することにいたしました。
これさえあればウェストミンスター寺院に入れるはず。準備は整いました。待ってろイギリス。
それにしても、この招待状のなんと美しいことでしょう。
上部左右には、王さまと王妃さまの紋章に美しい装飾が施されています。その間のCはおふたりのイニシャルだとか。
下の中央には、グリーンマン。
古くから伝わる"春と再生の象徴"だそうです。
玄関のドアノブやノッカーの飾りとして、洋画で見かけたりしますわね。
そして何よりも、周りを縁取っているたくさんの花々や生き物たちが美しくて可愛らしくて。新しい治世のスタートを祝福しているようです。
バラに水仙、アザミ、スミレ、イチゴ、他にも名前がわからない可憐な植物たち。牧野富太郎博士なら全部おわかりになるのでしょうね。
小鳥や蝶やミツバチさんもいるわね。てんとう虫さんもいると聞きましたがどこでしょう? ああ見えないわ。◯眼かしら。
左下の青い動物はなんでしょう? どなたかご存じ?
もう全てがツボすぎて、時間を忘れて見入ってしまいます。こんな素敵な招待状をいただいたら、どんなに幸せなことでしょう。
さあ、わたくしもこの招待状を握りしめて、戴冠式へと赴きます。
あと少しでイギリスに到着するはず。
はず、は…ず……
どうしたのかしら。すごく眠いわ。
だめ、眠ってはだめよ。もうすぐイギリスに着くのに……
zzzzz
くぅーん。
はっ。
私は愛犬の声で目が覚めた。
しまった、もう夕方だ。
連休ならではの大掃除をしていたら、疲れて昼寝をしてしまった。ああよく寝た。
なんだか、とても楽しい夢をみたような気がする。わくわくするような、でも急がなきゃって少し焦るような。
おっと、こうしてはいられない。
今夜7時からイギリスの戴冠式が始まるから、テレビを見なきゃ。
ああ、あんな戴冠式に行ってみたいなぁ。
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