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詩 _ 「かなしみと夕日」

濃い青色でやってきたかなしみが
わたしのなかでゆらいでいる
あちらこちらから続けてやってくると
濃くなりすぎて青色ではなくなる
ゆらぐこともむつかしくなってもがく
かなしみたちは底というものを知らない
ゆらいでいるうちは青色だから
のみこまれるものはまだない

底に集まってしまったら
死んでしまうから
北風がびゅうとかなしみを揺らす

夕日が差し込んで赤色を知る
かなしみは夕日になって休むことを知り
明日へゆく
濃くなる青色に北風を呼ぶ
そうして巡り巡っている

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