よなかのスイカ
夏休みだ。
小学生(次男)も中学生(長男)も、塾の2時間以外ずっと家に居る。
夫は出勤時間を自由に出来たり、会社と家が徒歩7分と近いので、頻繁に帰宅する。
家の中は常に、ざわざわ、ぎゃあぎゃあ、ぐちゃぐちゃしている。
電話の音もインターフォンも聞こえない。
小学生の次男は、夏休みの始まりに軽い熱中症になってしまった。
食欲がない、気持ちわるい日が続き、本人も私もつらかった。
お医者さんから処方された薬の数が少なってきた頃、ようやくおなかが動き出したようだ。
「お母さん、今日のごはん、何?」
この言葉を聞くのが、嬉しいだなんて。
元気な時はそう思わなかったし、「え?わかんない」と意地悪を言ったり、「さっき食べたばっかじゃん、もうお腹すいたの?」と酷い事を言ったりした。
男子が、こんなにお腹が空く生きものだとは知らなかったです、すんません。
特に中3の長男は、「あたまを使うとおなかが減る」と言って食べる食べる。2時間おきくらいに。
あたま、そんなに使ってるのかな。
まだ体調が完全に戻ってない次男は、昨日変な時間に寝てしまった。
さっきまでテレビを観ていたのに(プロ野球デーゲーム)「ちょっとだけ寝る」と言って昼寝。
いや、昼寝を通り越して、彼が起きてきたのは夜11時過ぎ。夕飯時に起こしても起きなかった。
「お母さん、こんな時間にいけないと思うけど、……なんか、眠れない……」
そうだね、いっぱい寝たから眠れないよね。でも横になって目を閉じていようか。
勉強を終えた長男が、私に伝えにくる。
「お腹すいたって言えばいいじゃん。お母さん、こいつ、夕飯食ってないからだよね」
知ってるよ、でも、こんな時間に食べるの、身体に良くないよね………スイカ、ちょっとだけ食べる?
布団の上で喜びの舞をする次男。
夜中に食べると、美味しい。
いけないことしてると思うからよけい美味しいよね、3人でこそこそ話す。
お疲れさま7月。
こんにちは8月。
夏休みは続く。
この子たちとのやさしい夜を、あと何回過ごしていけるのだろう。