あやしも
ピリカ文庫『レモン』と、みなさんのスピンオフ作品を集めました。書いていただきありがとうございました。
小学生次男(今は中学生)の理科の宿題や、その他にふと夜空を見上げた時の noteです。
夏休みの終わりに突然の激しい動悸が……救急車で搬送してもらい、重度の貧血と診断され入院した時のお話です。
私が生まれ、育ち、暮らす街のことについて書いたものです。
電車好きな我が家の兄弟。今まで乗った電車とそれにまつわるお話です。
noteのプロフィールは、この一文で始まる。 資格は持っておらず、完全に自己流だ。 つぼの位置や反射区が描かれた本は、一応持っている。 本を見ながら行なうことは、ほとんどない。 自分のコンディションや、揉んだ時の反応(かなり痛いのか、痛気持ちいいのか、手応えを感じないのか等)身体が伝えてくれる情報を聞く。 手探りしながら押していく。 私の足つぼグッズ。 泊まりには何か一つは携帯していくし、長時間の乗り物移動は、左上の突起のある球体を手で握ったり、密かに靴を脱ぎ、足裏
「ラブホに行けばいいんじゃないですか」 皆の視線が一斉に刺さる。 「モカさんって、そういうところ行く人なんですか。意外です」 「ねぇ、そんなふうに見えないー」 「行きますけど。ぜんぜん、行きますね、ラブホとか」 当たり障りのない会話には、加わらないという選択肢を選ぶよりは参加した方がいい。 25年間生きてきて、萌加はそう思っている。 だいたい、彼氏とどこでセックスするかという話題をこのメンバーですることが異様だ。 友達でもない、職場の同僚達。 「モカさんは、そ
接客業をしていて、お客さんとの会話を考える。 私はパン屋でパートをしているのだが、時として「味」や「食感」について質問を受けることがある。 例えば、「このピリ辛チキンバーガーのピリ辛はどのくらい辛いの?」だとか「このパンは硬いの?やわらかいの?」のような質問だ。 お客さんは購入にあたり、それを知りたい。 出来る限り正確に伝えたいし、一回の説明で分かる(イメージが明確につかめる)ように話したい。 いつも思うのが、私と相手とは違うのだということ。 私が「それほど辛くない
音声配信「すまいるスパイス」に呼んでいただいた。そのお知らせと、収録では話さなかったことを書こうと思う。 よろしくお願いします。 ヨロシクオネガイシマス 6月のピリカ文庫に書いた『レモン』には、多くのスピンオフ作品を寄せていただいた。 予想だにしなかった出来事だった。 10月某日、コッシーさんから連絡をいただいた時、正直なところ、嬉しさよりも不安が大きかった。 レモン、レモン……もう嫌、やめてと思っている方もいるだろう。 あれのどこがいいの?とずっと思われているだ
そもそも友達は少ないし、友達と思っている相手が、僕のことをそう思ってくれているのかは疑問が残る。 そんな不安を吹き飛ばすかのように、彼は突然、僕の部屋にやってきてくれる。 「章のパスタ、食いたくなって」 彼がどんなに忙しいか、僕は知っている。 仕事ができる男、というのは彼のことを言うのだろう。 いくつものプロジェクトを難なくこなす。 いや、難なくではない。彼は努力家で、人が喜んだり楽しんだりすることに労を惜しまない。 会うと冗談ばかり、僕は彼のおしゃべりを聞くのが大
「こうやって、ごはんにかけちゃいなさい」 フクシさんは、どんぶりに盛られた白米の上に、熱々のコーンポタージュをなみなみ注ぎながら言った。 コーンポタージュの海でごはんが見えなくなった器を手渡された。 「熱いからね、気をつけてね。ここで立ったまま食べるのよ」 レストランの厨房カウンター。 カウンターの向こうは厨房。 私達ウェイトレスはカウンター越しに出来上がった料理を受け取り、お客さんのテーブルに運ぶ。 カウンターのあるところは、お客さんからは見えないようになっていて
今年の夏、noteを始めて5年目に入った。 ここでしか出会えない人たちがいらして、 noteの中や外で、たくさんの喜びや楽しみを味わえている。幸せなことだ。 始めた当初は、自分から企画に参加することが出来なかった。 3児のパパさん企画の「狂おしいほど君が好き」は、勇気を振り絞ってコメントした。 第1回目のピリカグランプリは、生まれ変わったら創作が書けますように……いつか書けるようになれたらいいな……と思いながら応募作品を読んだ。 そんな初々しい?時期もあったのだが、
心も身体も弱りきって電話で話す力も出ない時、友達がメールで送ってくれた一文だった。 「いま、フルーツが浮かんだ。フルーツを食べなよ」 言われるがまま、その日から果物を意識して食べた。 バナナや柿は苦手なのでパス、グレープフルーツは降圧剤を飲んでいるから食べられない。 キウイは鬼太郎のお父さんを思い出して、恐る恐る口にする。 皮をむいて食べるのは面倒くさいな。 昔むかし職場で、みかんの皮むくのが面倒で……と言ったら年配の方に絶句された。 カットフルーツは楽でいい。
本棚の隅から文庫本を抜く。 ページを繰ると、ひらり、花が落ちた。 否、本物の花ではなくて、紙の花だ。 花びらの形を模した紙片は、散華と呼ばれる。 母の実家は寺であった。 幼い蒼衣と母が訪れると、玄関に伽羅の甘い香りが漂う。 家の奥からは木魚が音を刻み、経を唱える声が静かに響く。 「いらっしゃい。あがって、あがって」 胸元に刺繍があるエプロンを身につけた祖母が、笑顔で迎えてくれる。 「おじいちゃん、お寺?」 「そうなの。あともう少しで終わるからね」 母から手
次男(中1)が宿泊行事に出かけた。 横浜の素敵ホテルに一泊する。 都内から横浜で泊まる意味ある?と思ったのは長男の時で、それは3年前であるが、今もなお続いている学校行事だ。 「私たちの住んでいる地域には海がないので、海がある街を学習しに行きます」 というのが校長先生のお話。 横浜に行く前、事前学習で歴史、文化、地域、名所、観光地、食べ物なとをいろいろ調べたりしたのが一学期の終わり。 二学期の始まりに保護者説明会があり、生徒らは9月末の中間試験があり、10月になってすぐ
夫が居ない夜に大皿によそったおかずを、息子二人が食べてしまった。 ほとんど何も乗っていない皿を前に、息子達から平謝りされたが、もうどうしようもない。 ひとり分ずつ出さなかった私がわるいのか、「お母さんの分、残してね」と毎回必ず言わないといけないのか。 仕方がないので、冷蔵庫に残っているものでおかずになるものを作る。 生協の宅配を明日に控えているため、冷蔵庫には食材がない。 かろうじて見つけたのはみょうがとちくわで、ちくわを適当に切り、みょうがは千切りにした。 ぽん
『とんかつDJアゲ太郎』という漫画、およびその漫画が原作な映画をご存知だろうか? 私はタイトルしか知らない。 映画の主演が、北村匠海だということだけ知っている。 昨日晩御飯に、とんかつを揚げた。 夫が不在で、長男と次男と私の3人。 豚の肩ロース肉(かつ用)を4枚揚げた。 昼に天ざるをお腹いっぱい食べた私は、かつは1枚も要らなかったので、とんかつを食卓に置きながら息子達に伝えた。 「お母さん用に4切れ残して。あとは好きなだけふたりで食べていいからね」 彼らはきっち
レモンから、を二度見した。 小牧部長、嘘でしょ。 シロクマ文芸部のお題が「レモンから」であった。 6月にピリカ文庫に書いた『レモン』には、多くの方からの文章や音声でのコメントをいただき、夢のようだと感じている。 創作が得意ではない。 うまく書けない。 恥ずかしい。 そういう気持ちが消えない。ずっと心に在る。 認めるところから始まると思っているし、書き続けると変わっていくのかもしれない。 「変わった」と私自身は感じている。 恥ずかしさは、かなり減った。 noteを
ピリカ文庫『レモン』に、ピリカさんが素敵なスピンオフを書いてくださいました。嬉しくて嬉しくて嬉しい。 『【短編小説】ヒトリ珈琲②』 ピリカさん https://note.com/saori0717/n/n5083a9fffb5d
スヌーピーのキャラ弁なんてもの初めて見た私は、脳が一瞬フリーズした。 おにぎりがスヌーピー……だと? スヌーピーの頭部、海苔で目鼻や耳がデコられているではないか。やば。 「こんなのどうよ?」 LINEに貼られたお弁当写真に即、桃花とサワタリがサムズアップのリアクションマーク。 8秒くらい遅れて、私も「いいね」する。 「鬼丸はスヌーピー好きなんでしょ?こういうの、よくない?」 写真を貼ったのは狗巻貴子。 中間も期末も常にオール90点台、めっちゃ頭いい子。 「このお
ドーナツが浮かぶ。 いや正確にはドーナツの穴の部分、カッコよく言えばドーナツホールが気になって仕方ない。 ドーナツは穴があるからドーナツたらしめるのだし、「ドーナツの穴 哲学」「ドーナツ 名言」など検索すればざくざく出てくるし、いつの世も語りぐさになるものと思っている。 なぜ、気になるのだろう。 凶悪な夏休みのせいだと思う。 穴に逃げ込みたいのか。 私自身が食べ尽くされて穴だらけなのか、分からない。 ごはんを作りながら、ずっと昔に、夫婦喧嘩の最中に言われたことを思