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葦原青
2020年9月10日 23:24
プレイ日記 プロローグへプレイ日記 第12話へ 十数年ぶりに訪れた故郷の村は、記憶にあったそれよりも、はるかに小さく、侘しく、煤けて見えた。 帰ってみようと思ったのは、ほんの気まぐれだった。 任務で傷を負い、静養するよう言い渡され、するべきことも特になかったせいでもある。「おお、おお! よくぞお越しくださいました――いえ、お戻りになりましたというべきですな、ラーゴ殿」 出迎えてく
2020年10月3日 18:57
プレイ日記 プロローグへ『黒血の拳』へ 黒い点――列を成し、地面を這いまわっている。 広場の石畳が尽きる土の上を。 陽に灼かれても。風に吹かれても。 飽くことなく。倦むことなく。 なにかに突き動かされるように、この生き物――アリたちは、ただひたすらに進み続ける。 屈んで眺めていたルドは、なんとはなしに、石を手に取った。 子供の手のひらには収まりきらないほどの大きな石だ。 それを