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文學界
2022年10月15日 20:17
宮沢さんは、出会った頃、ノートに、とてもかわいい手書きの文字で、台本を書いていた。「僕の字は、いしいひさいちの字とまったく同じなんだ」 と、自嘲と自慢が微妙に入り混じった感じで、宮沢さんはおっしゃっていた。そう、四コマ漫画に添えられている字っぽいのである。 とっておけばよかった。ひしひしとそう思う。あの手書きの台本。 劇作家である宮沢さんの作品を「台本」と書くには訳がある。 宮