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「発達性協調運動障害」での困りごと

 よく自閉スペクトラム症(ASD)を抱えていると、発達性協調運動障害(DCD)と言われる、生活年齢に相応しくない不器用さ、運動技能の遂行における遅さと不正確さが見られやすいと知られています。


 自分はDCDの診断は受けてはいませんが、運動の不器用さを自覚しており、歩行がおかしいとPTの先生に言われたこともあります。

 幸い、今の日常生活で大きな支障にはなっていませんが、小学校や中学校の時は、この不器用さを契機に、クラスの人や先生から責められたことがありました。

 ちょうどSNSを見ていたところ「長縄」に苦労したというエピソードを持つASD当事者が多く、自分もその一人です。集団を流れを見ながらタイミングよく縄を飛ぶことがどうしても苦手でした。

 一番困ったことは、できないことでクラスの足を引っ張っているとされ、クラスメイトから叱責の対象になったことです。

 長縄以外にも、スポーツ大会でミスをしたことでクラスメイトから椅子を蹴られたり、学習発表会で踊りが下手で先生に「やる気がない」と叱責されたこともあります。

 以下の引用にある通り、学校の体育などで求められる器用さ、運動技能の暗黙の水準を満たせず、ネガティブなフィードバックを繰り返されたことで自尊心が低下している状態に陥っていました。

 上手に身体を動かせないために、自尊心が低かったり、学業上の問題を抱える子どもも少なくありません。(ハートクリニック こころの話を一部引用)

 しかし、問題を分解するとネガティブな影響を与えたのは環境要因が大いにあるのではと思えます。もし、できなくても参加を無理強いされない、もっと難易度が低い内容に変更してもらえるなど、別な選択肢があればここまでネガティブなエピソード記憶にならなかったかもしれません。

 ですので、DCDが原因で起こる困りごとは環境要因も大いにあるのではないでしょうか。

 現在は、不器用でも自分一人でマイペースにできるジムでのトレーンングや散歩など自分が楽しめる運動を見つけることができたので、運動に対するネガティブな印象は払拭されつつあります。

 発達性協調運動障害による困りごとは、環境へのミスマッチも大いにあると考えられ、当事者の不器用さや運動技能の至らなさに過度に焦点を当てなくとも、「合理的配慮」などちょっとした環境調整で困り感を大いに減らせると感じます。

 少なくとも「不器用さ」を責めても本人も周囲も解決に結びつかないのは明白だと確信しています。 

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