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[モンゴメリ生誕150周年]アヴォンリーへの道ー旅3日目①

宿泊しているKindred Spirits Innはグリーンゲイブルズから徒歩3分の好立地。実は前日に、グリーンゲイブルズへの近道(隣のゴルフコースを突っ切るだけ)を教えていただいていました。
時差ボケで早起きしすぎた翌朝、今日も一日どんなわくわくが待ってるかしらー?とアンの気持ちでスタートです。
近道を抜けて、朝焼けしたグリーンゲイブルズはこちらです。この日の日の出は5時半。庭先にはスノーボールズ、スコッチローズ、ライラック、青い羊歯、リンゴの木が植えられていて、鳥がさえずり、お化けの森を超えた向こうの空がラベンダー色に染まっていきます。

この後ケイライン社の添乗員の方には、グリーンゲイブルズの脇からつながる「恋人たちの小径」、庭先から窪地に下っていく「お化けの森」の散策も連れて行っていただきました。数年前に大きなハリケーンが襲い、PEI全体でかなり木々が倒されているのですが、ここでもその爪痕はありました。お化けの森を抜けると、昨日行ったモンゴメリのお墓やモンゴメリパークに出ます。

午前:グリーンゲイブルズ内部、グリーンゲイブルズ郵便局、モンゴメリが育った母方の祖父母宅マクニール家

グリーンゲイブルズ周辺は自由に入れるとしても、家の中は開館時間に見学します。ここでも松本侑子先生がアンに出てくるエピソードとともに解説してくださいます。
グリーンゲイブルズはもともとモンゴメリの母方の祖父のいとこの兄妹が暮らしていたマクニール家で、モンゴメリもよく遊びに行っていたそうです。未婚で暮らしていた中年の兄妹が親を亡くした姪を養子にしたことがアンの話の着想になったと言われています。
グリーンゲイブルズの玄関周りはかなり派手な壁紙を貼っていますが、それは昔は虫が多くてハエたたきでバシッと壁で虫をつぶすとシミが目立つのを避けるため、とか窓際のゼラニウムは飾りというよりは虫よけ効果のため、お客様を通す居間はいい絨毯や家具を置いても家族用スペースは質素、といったいかにも実際的なマリラを髣髴とする生活の知恵があります。
ちなみに今回のツアーでは、よく美術館の解説で使うようなイヤフォンが事前に渡されていて主要な観光先で使いましたがこれがよかったです。40名がめいめい見ているうちに距離が離れても、先生やガイドの方が専用マイクで話すとイヤフォンを通じて聞こえるので、先生方も声を張り上げる必要もなく、聞いている側もストレスなく聞けました。

客間のソファは馬の毛を織り込んだ高級品。牧師さんなどはこういう場でもてなしたのでしょう。
心臓が弱いマシューの部屋は階段を上り下りしないで済むよう1Fのキッチン横で質実剛健。マシューが急逝する原因は銀行破綻を報じる新聞を読んで、というエピソードを示すように新聞もおかれている。
こちら19世紀最新のシステムキッチンでございますよ、奥様!手前からアイロン、煮炊き(強火ととろ火の二段階!)、オーブン、全館暖房がこれ一台で!
玄関の真上にあるアンの部屋。マシューが贈ってくれたパフスリーブのドレスが架かっている。東向きで明るく、未来ある10代にふさわしい。
アンが憧れたお客様用の寝室。水洗トイレがない時代、ベッドの下のホーローの鍋みたいなものがトイレ。どの部屋にも手や顔を洗うための水差しと洗面器もあります。お客さんが来るたびに、なぜいちいち2Fの寝室に通すのかと思っていましたが、そういうことですか。
人生の下り坂に呼応するかのような西向きのマリラの部屋。アンがなくしたと思った水晶のブローチがベッド横のテーブルに置かれている。
グリーンゲイブルズに併設する資料館とお土産ショップはまだ数年前にできたもので、モンゴメリの生涯を示すパネル、貴重な初版本、世界各国のアンの本などが展示されている。これまでに映画化・ドラマ化されたそれぞれの時代のアン。
グリーンゲイブルズから数ブロックのグリーンゲイブルズ郵便局。モンゴメリを育てた祖父母が農場経営の傍ら開いており、祖父亡き後モンゴメリが引き継いだ。モンゴメリは仕事の傍ら物語を書いて原稿を出版社に送り、採用された小切手やボツになって却ってきた原稿を誰にも知られずに直接受け取れた。ボツ原稿を突っ込んで隠していた帽子ケースも展示されている。現役の郵便局機能もあり、ここからポストカードを出すとアンの消印を押してもらえる。
2歳で母を亡くしたモンゴメリは、母方の祖父母に育てられた。ここマクニール家は今は地下貯蔵庫の基礎が残っているが、一画にはお土産ものも置くブックショップがあり、マクニール家の子孫の方が経営していてお出迎えいただいた。周辺は果てしなく農場が広がる。
マクニール家敷地にあるサマーキッチンの小屋。暖炉機能にもなるシステムキッチンは、夏場は暑くて大変なので、このような離れで調理した。奥がブックショップ。

昼食:Preserved Company

レストランもあるジャム屋さん。豊富な種類のジャムを売っている。
PEIはジャガイモの島。ジャガイモの種類も多種多様で、このポテトパイも複数の種類のポテトを層にして焼いている。大きいのにぺろりと食べられた。サラダのドレッシングはラズベリーソース味で美味。
ラズベリージャムたっぷりのパイ。こちらでパイというのはサクサク生地というより薄いクッキー生地のようなもの。

(続く)

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