クリスマス前、婚活をやめた
2年交際、同棲、婚約した恋人に振られ結婚相談所の扉を叩いて4ヶ月。
婚活をやめることにした。
正直相談所を退会するまでは悩み半分、後悔半分だったように思う。
子どもが欲しい、結婚したい、でも今の状況では結婚しないほうがいい、それでも……と。
しかし退会のために手続きをして、決まっていたお見合いを全て終わらせると視界が開けたのだ。
やりたいことが浮かんでくる。自分のために時間を使いたいと思う。
ああ、私はこんなに時間が欲しかったのだと気付いた。
恋人と別れた頃、私は自分が心を病んでいることに気付いていた。それでも何かをどうにかしたくて、結婚相談所に入会して婚活を始めた。
自分を肯定するために、自分を肯定してくれる人を探したのだ。愚かだね。
婚活、実際に始めてみるととてつもなく負荷が高かった。正直苦行。
週末に1日3〜4件のお見合いを組み、身だしなみを整えて会話を努力する。とりあえず数をこなそうと詰め込んだ結果、週末の予定がほぼお見合いで埋まった。
初対面の異性と会話をして、相手の趣味嗜好を読み取って、好かれる努力をして、終われば移動してまたお見合い。最初は頑張れたが夏の気候と相まってすぐにメンタルを壊した。移動途中の駅のホームで勝手に涙が出てきた。見なかったことにしてまたお見合い。
もともと心を病んでいる人間に過酷なスケジュールが耐えられるわけもなく、私は不眠症を患い、急速に悪化していった。
そうして度々健忘を起こすようになり、幼馴染から説得されて婚活をやめることにした。
健康になれ、と。そうでなければ我々は子どもを産んだとしても傷つけることになるから、と。所謂虐待の連鎖だ。
健康でない親に散々傷つけられて育った私と幼馴染は、決して子どもを傷つけてはいけない。
幼い頃消えてしまいたくて仕方なかった私たちは、寄り添いあって、お互いを錨として無理矢理に生き延びた。絶対に命を断つな、私を置いていくな、許さない、そんなことを言い合って育ったのだから。決して第二の自分たちを生み出してはいけない。
心からそう思った私は結婚相談所の退会手続きを始め、健康になるための努力を開始した。
なお私の診断名は「複雑性PTSD」である。段々とメジャーになってきた言葉だが、他人からすると一見何が原因かわからないが質問しづらいという意味で、話しやすい診断名をつけてくれたなと思っている。
以下、健康になるために始めたことをまとめる。
標準体重までのダイエット
趣味の再開
カウンセリング
主軸はこの3つ。
ダイエットはあくまで健康的に、食事と運動と睡眠。在宅勤務の日はリングフィットをやる。食事はすべてあすけんにつける。歩き方や姿勢を気をつける。
始めて1ヶ月経っていないが、体重はそんなに落ちなくても見るからに脂肪が減り筋肉がついた。そして体力がついた。どれだけ不健康だったのかがわかる。
趣味については難しいところである。そもそもメンタルが持ち直さないと何もやる気が起きない。楽しいと思えない、集中力が続かない、魅力を感じない。もともといくつか趣味はあったものの、ほぼ全てやめてしまっていた。
ひとまずは読書を再開する準備から始めた。用事のついでとして、図書館の利用カードを作成。
暫くは本棚を見ても惹かれるものがなかったが、1週間ほど経ってから昔追いかけていた児童書の続刊を手に取ることができた。
文字が大きく正しい日本語で書かれた本は、うつ病で文章が読み取りづらい私には最適だった。速音読も実施してみた。最初は苦痛だったが慣れてくるともっと読みたいと思えた。疲れている日には難しいが、余裕のある日には効果的だったように思う。
カウンセリングは私が期待していた以上の効果があった。
まず母に対しての複雑な感情の中で、差し迫ったものが8割なくなった(詳細は別途書き起こす予定)
そうすると自然と希死念慮が消えていった。もちろんたまに元気に顔を出すが、回数は随分と減った。
元恋人への憎しみについてもカウンセリングしてもらったが、ある程度良くなったように思う。
どうしてここまでカウンセリングに効果があったかと言うと、自分の中で結論が出たからである。私が何に怒っていたのか、当時何をしたかったのか、何に対して後悔があるのか、今の私はどう思っているのか。過去と現在についての言語化が一番のトラウマの回復だったように思う。
もちろんすべてが解決したわけではなく、私の不眠症は治っていない。だが大きく前進はしたと思える。
睡眠が取れていないから大きくトラウマの治療はできないとすら言われている状態ではあるが、少しずつの回復さえ私には救いである。
ここまで書くと順調に回復していそうだが、実際は一進一退。
己の中の「役立たず」の声が耳に痛い。
最近少しずつパーツワークが目に見えてきた気がする。
こうして少しずつ進んでいきたい。
死ぬためではなく、生きるために。
と、少年漫画にありそうなセリフを本日の結びとして、終えたいと思う。