荒川の五色桜
いらしてくださって、ありがとうございます。
昨日に引き続き本日も、荒川の五色桜たちのもとへ。早朝で人通りもすくなく、品種を確認しながら写真が撮れたのでご紹介いたします。
(以降、ひたすら桜の画像がつづきます。長いです^^;)
JR京浜東北線の王子駅からバスで20分ほど、荒川沿いの新田地区の土手に再現されている『荒川の五色桜』。マップに記された40本ほどの桜の品種順に、ゆっくり歩いてまいります。
関山:オオシマザクラ系の栽培品種。
江戸時代からあり、明治時代に荒川堤から広まったそう。濃紅色の八重桜。病害虫にも強いとのことで、公園などでもよく見かけます。桜花漬に使用されることでも知られています。
松月:オオシマザクラ系の栽培品種。
こちらも関山とおなじく江戸時代からあり、明治時代の荒川堤から広まっています。花弁の外側が淡紅色で、清楚な雰囲気です。
鬱金:オオシマザクラ系の栽培品種。
江戸時代からあり、花弁は淡い黄緑色で鬱金色に見立てたところからの命名。花は咲いてから徐々に紅色へと変わっていきます。
のちほど登場します御衣黄と混同されがち。
鬱金の花びらには、緑色の筋が入っているものもあります。
福禄寿:オオシマザクラ系の栽培品種。
こちらも明治時代の荒川堤から広まったそう。紅色のフリルのような花びらが豪奢な雰囲気。
普賢象:オオシマザクラ系の栽培品種。
普賢堂ともよばれ、室町時代から栽培されているとのこと。この画像では見えませんが、緑色の雌しべが二本、花の中心に突き出しているところから「普賢菩薩が乗る白象の牙」に見立てられたゆえの命名。
天ノ川:オオシマザクラ系の栽培品種。
こちらも明治時代の荒川堤から広まったそう。この桜は枝ぶりが特徴的で、ほかの八重桜たちが枝を横に広げるのに対し、真っ直ぐ天をめざして枝が伸び、花も上向きに咲くのです。
左手の桜との姿の違いがくっきりと。
御衣黄:オオシマザクラ系の栽培品種。
さきにご紹介しました鬱金とは枝変わり関係にあるそうで、遠目では両者の見分けは難しそう(遠目だと緑の花たちが葉にまぎれてしまって、そも桜だとは気づかないかも)。
ちなみに命名の由来は、平安時代の貴族の衣服の萌黄色に近い花色から。
近くで見ると、鬱金より花びらがクルンとカールしているのがわかります。花の中心に赤い筋が入り、花びらにも緑の線があります。鬱金よりもはっきりとした「緑色の桜」感。
さくらんぼのような蕾が愛らしく。
左上の花びらに、ニョキっと牙(雌しべ)が。
駿河台匂:オオシマザクラ系の栽培品種。
帰宅して品種情報を調べて愕然としたのですが、この桜、香りが強い品種なのだそう。桜は香りがしないものだと思って、匂いをまったく気にかけず仕舞い。どんな匂いだったのでしょう……。
駿河台匂は純白の花でした。
こちらの普賢象は牙がわかりやすいかな。
一葉:オオシマザクラ系の栽培品種。
うつむきがちに咲いていました。花のなかにある雌しべの一本が葉のような形になっていることから一葉と名付けられたそうですが、ちょっとよくわからない……。
なんとも優美な桜花。
白妙:オオシマザクラ系の栽培品種。
こちらも江戸時代からあり、明治時代の荒川堤から広まったそう。「雨宿」の別名もある純白の八重桜。こちらはもう花期を終えていて、この一輪だけが残ってくれていました。
泰山府君
こちらも荒川堤で栽培されていた品種。名の由来は、中世に桜町中納言が桜の花が散りやすいのを嘆いて、泰山府君を祀って花の期間が長くなるよう祈ったところ、その霊験で21日も散るのが延びたという故事からだそう。
関山や普賢象などの八重桜にくらべると小ぶりですが、淡紅色の品のよい愛らしい八重桜です。
満開の桜たちがあまりに綺麗で、ひたすら写真を撮り続けていました。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
今日もみなさまに佳き日となりますように(´ー`)ノ
(こちらの桜の画像は、のちほど「みんなのフォトギャラリー」にもアップ予定です)