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実体験
「ぼくが生きている、ふたつの世界」
今となっては
なぜこの映画を観ようと思ったのか
思い出すことができません。
けれども
心を動かされたことは確かです。
3年ほど前
全身麻酔で手術を受けました。
コロナ禍の影響があり
入院中の10日間
病院関係者と
同じ入院患者以外
誰かと会うことはありませんでした。
そのとき初めて
家族と離れて過ごす子どもたちの寂しさを知りました。
その後
初めて手にした松葉杖。
コンビニの入り口で
「押」「引」
に四苦八苦。
通院先では
こちらに道を譲ってくださる高齢の方々。
自動ドアの便利さと人の優しさを実感しました。
そして1年半後。
突然おとずれた微音の世界。
幸い2週間ほどで回復しましたが
その間
インターホンのチャイムは聞こえず
テレビも大音量に。
耳から得る情報もたくさんあることを体感しました。
「聴こえない母に訊きにいく」
この本を読んだのは
映画
ぼくがいきている、ふたつの世界
を観たからです。
優生保護法は知識として理解していましたが
手話言語と音声言語
その概念
異なる世界
については
考えたこともありませんでした。
経験や体験。
知識だけの理解は
遠く及ばないとつくづく思います。
けれども
知識でしか得られないこと
知識だけで得るほうがよいこと
たくさんあるに違いありません。
どちらにしても
確かに存在する様々な世界
少しでも理解できるようでありたいと思います。