【まとめて日記2】今日読んだ本縛り、にしたらだいぶハードだった週。
今年はよくエッセイ集を読んだ。
面白かったのは、たくさんの作家さんのエッセイがひとつずつ集められたタイプのエッセイ集。
作家さんごとの文章のクセを堪能できるのが面白い。
そして勉強になる。
私だったらこのネタをどんな風に料理するだろう。
どんな構成?書き出しは?
そして自分の文章には伸びしろしかないことに気づいたりもする。
いいじゃないか、伸びしろ。
明るい未来が待ってるぜ。
名店の定義を定めたら撃沈した月曜日
作家さんたちの、お気に入りのお店にまつわる思い出などのエッセイ集。
まず思ったのは「このネタ、いただき!」ってこと。
私も気に入った店の思い出を書きたくなった。
でも「名店」というのは「気に入った」と同義語なんだろうか。
微妙に違う気もする。
「名店」の定義を(仮にでも)はっきりさせないと書けない。
私の場合の「名店」の定義。
それは「〇〇なら、絶対にこの店!」というものであると、仮定してみようか。
そういう店、あるかな。
ポクポクポク・・・ちーん!
ないわ。
全然思い浮かばない。
これじゃ書けない。
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「わたしの名店」 三浦しをん、西加奈子ほか ポプラ文庫
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どっぷりひたって泣きたい火曜日
息子に貸した小説が戻ってきた。
「面白かったよ。続き、読みたい」とのこと。
そうか、面白かったか、と安心して読み始めた。
しかし、どっぷり主人公の気持ちになってしまい、なにやら苦しい時間を過ごすことになった。
主人公は研修医だ。
つまり医者のひよっこ。
簡単に言えば、研修医が病院で奮闘する話である。
医者たちの使う専門用語がバンバン出てくるが、ごく自然な流れの中で説明されているので、読むのに困ることはない。
それどころか、これまで患者の側からしか見てこなかった病院という場所が、医者の側という新たな視点で見えるように(少しだけ)なる。
主人公が奮闘する中で、ときどき昔の記憶の欠片が蘇る。
そしてつながる冒頭部分とラスト。
感動はしない。
重苦しい気持ちになったし、いろんなことを思い出したり、考えたりもした。
しかしこれが世の中の現実の、一部分でもある。
シリーズの続きは、自分の気持ちに余裕があるときに読もうと思う。
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「泣くな研修医」 中山祐次郎 幻冬舎文庫
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ややこしい現実を思い出して苦しくなる水曜日
逃げ出したくなったが、がんばって読んだ。
一人暮らしの高齢女性、おもちさんが主人公。
ダンナさんは特養に入っている。
おもちさん自身も糖尿病で入退院をくり返し、おそらくサ高住と思われるところに入ることになる。
今年、私の両親が相次いで要介護認定を受けた。
両親との関係が良好とは言い難い私には、なにかと複雑な一年だった。
おもちさんと、娘や息子のお嫁さんとの関係はすこぶる良い。
親子関係ということや、親が老いるということ、そして自分も老いていくということ。
考えることはいくらでもあって、でもそれぞれが重すぎて、逃げ出したくなる。
逃げたい。
逃げていいのか。
どこまでなら逃げても許されるのか。
そもそも許すのは誰なのか。
逃げることは私にとって必要なことだ。
それはハッキリしている。
でも、どこまで?
正解はない。
決めるのは私。
どの道を選んでも後悔しかないような気がする。
せめて、息子には苦しい思いをさせないようにしたい。
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「にぎやかな落日」 朝倉かすみ 光文社文庫
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じっくりゆっくり付き合いたい木曜日
一度に大量の提案を受けた。
「なにそれ、名案!」と積極的に受け入れたいもの。
「それはまぁ、理想ではあるよね」と斜に構えるもの。
そして「ごめん被る!」と拒否するもの。
あまりにもたくさんの提案なので、すべて忘れ去った。
読んでるときは覚えてたのになぁ。
本を閉じたら消えたよ。
もう一度ぺらぺらめくって、名案のみを拾い集めよう。
そしてどこかに書いておかなくちゃ。
そうだ。
こんなときはnoteをメモ帳代わりに使うのもいいかもしれない。
さっそく書いてみようか。
そう思って本の目次を開いたが、どれがどれやらさっぱり分からん。
あらー。
もしかしてもう一度読み直しってこと?
それはつらいなぁ。
だって388ページもあるし。
文庫本のくせに1200円(税別)もする、分厚いやつ。
今回だって、おとといから三日がかりで読んだんだから。
再読はつらいよ・・・。
でも読んでよかったな、と思える本でもある。
読み終わったけど、ブックオフに売らずに本棚にしまっておく。
ときどき手に取って、気が向いたところだけ読んでみる。
そういう付き合い方が向いてる本だと思う。
5年後、10年後の自分がこの本を読んだら、感じることが変化してるだろう。
その変化が楽しみ。
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「[よりぬき]今日もていねいに。BEST101」 松浦弥太郎 PHP文庫
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この先数年の生き方を考えてみる金曜日
今週2冊目のエッセイ。
でも今度のはひとりの作家によるエッセイ集。
多数の作家による競演的なエッセイ集も面白いけど、ひとりのほうが落ち着いて読めることは間違いない。
この本のエッセイは、ひとつずつが短くて2~3ページしかない。
隙間時間に読むのにぴったり。
病院の待ち時間なんかには最適だね。
長い待ち時間をつぶしたいけど、本に集中しきってはいけないという、難しい時間。
それじゃ話題がこま切れ過ぎてついていけないよ、という心配はいらない。
連作のエッセイもけっこうあるのだ。
たとえば。
お隣さんからりんごをたくさんいただいたので、リンゴジャムを作った、という話があるとする。
すると次のエッセイでは、リンゴジャムを作ったので友だちにおすそ分けしたら、お礼にいちごを山ほどもらった話になる。
そしてその次のエッセイでは、いちごをジャムにしてお隣さんに持って行き、ロシアティーを楽しみながら・・・という具合。
ところで、この本。
50代という年齢設定が、今の私に絶妙にマッチする。
私にとっては少しだけ背伸びをした感じだけど、でもけっこう分かることも多くて。
これから先の数年を生きるのに、ちょうどいい参考書みたいな感じ。
この人の、他のエッセイも読んでみたいな。
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「50代、足していいもの、引いていいもの」 岸本葉子 中公文庫
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生き方はともかくおしゃれでは明らかに迷子になってる土曜日
子育てがほぼ終了した今年。
これからの人生は自分のために使うのだ。
といっても、独身時代に戻るわけではない。
そもそも結婚してるし。
子育てがほぼ終了したといっても、まだ学生だし。
それにね。
体力とかもろもろ…若い頃のようにはいかない。
新たなステージに立ったんだな、と思わされることの多い一年だった。
そんなわけで今年は、50代とか60代とかの、諸先輩方の生き方を紹介している本や雑誌を手にとることが多かった。
そういう本はひとり暮らしの高齢女性を取り上げることが多いから、それはそれで私とはまた違うのだけど。
それでも「子育て」や「出勤」のない生活は大いに参考になる。
私も新たなステージを楽しもう!と思える。
でも、おしゃれのほうはまだ60代を参考にするのは早すぎるかな。
この前、ママ友とおしゃべりしててそんな話が出た。
彼女が悩んでいるのは「娘と洋服を共用できるのは便利だけど、若作りしすぎなんだろうか…」ということ。
だからといって「大人のための」という設定の服はまだ早いよねぇ、と。
生き方もおしゃれも、いろいろ迷子になるお年頃。
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「60代からの小さくも豊かな暮らしのヒント集」 晋遊舎ムック
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ホントはネコ派なのにイヌのカレンダーを飾った日曜日
あぁ。これは絶対シリーズ化するやつだわ。
だって「可愛くないはず」なのに、めちゃめちゃ可愛いトイプードル!
次から次へと事件が舞い込んできて、ふたり(とついでに付き添い)は大わらわ。
みたいな展開が読めるわー。
そのうえドラマ化するとみた。
面白いもん。
絶対にドラマ化する。
あぁ。
俳優さんをたくさん知ってたら、配役予想を楽しめるのにな。
しかし惜しむらくは表紙のイラスト。
私のイメージとはちょっと違うんだよなー。
まぁ、小説だからね。
イラストはイメージと違っても、あんまり問題ない。
珍しく、帯に書いてあることが小説の中身を正しく表現していた。
「元刑事&元人間の犬+時々ヤクザの
ふわもこバディミステリー」
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「相棒は犬 転生探偵マカロンの事件簿」 愁堂れな 集英社オレンジ文庫
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