ギークス! 夏希の章(4) 澄プロ最後の仕事のこと
これが、澄プロダクション最後の日……
今日の僕の仕事は番組ナレーションだった。
相手が金持ちのオタクでオープンリーゲイって……まさしく鬼に金棒である!
ゲイヒエラルキー最下層と呼ばれる女装っ子、要するに僕は、ただただその鬼のコネに乗っていた。
「しっかしねぇ……今回のゲスト、すごいです。よくぞ来てくれましたってね」
バラエティー番組の司会をする彼。
背が高くて筋肉質で、おまけに金髪でメガネで、ピンク色のストールを巻いているとか、もうネタとしか思えない見た目である。