余剰9年---19




満ち足りた何かなんて きっと何処にもない




いつも何処かにある空虚は埋まらないと悟ったとき
誰かといながら孤独感に苛まれるより
独り歩み続ける方が幾分かマシかと思った

それでもぬくもりと交差点ですれ違ったとき
縋りたくなるその手が憐れに思える

口から出た言葉におどろいて
怖くなって、めんどくさい言葉をわざと並べて
必死に仕方ないと納得できる理由を作り出す

満たされたいなんて贅沢だ
すきま風が吹くくらいがきっといい
それでも壊れすぎたこの感覚は
何かを取り戻せなくなっている


自分がどうしたいかなんて
もうきっとずっと前からわからずに
それっぽくすすんできた代償が
倍くらいの渦になって
底に引きずり込まれそうだ、

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