朝雨アオ

【余情】を生きる人/物語の断片と詩を書いています/絵は感情の記録

朝雨アオ

【余情】を生きる人/物語の断片と詩を書いています/絵は感情の記録

最近の記事

    • 余剰9年---22

      あぁ、傷ついたのか。不意に理解したけれど 気づかなかったふりで、目を閉じる 気づいたのは深夜3時 雨粒のステップと澄みきれなかった空気の匂い 悲しいと言うより何度目かなと 大人になったつもりの少年は きっと大きな声でこんなのへっちゃらさ とつぶやく   ともだち 何て言葉にしばられて しんゆう なんて呪いだとゆう 傷つかないための策略は   焦がれた先の関係をみないしらないふりをするために 手にできないとなげくのは 手を伸ばそうと試したとそう認めてほしいから 9年

      • ハルの幕開け

        • 余剰9年---21

          この生暖かいやさしさがどうか、どうかほどけてしまいませんように 手の届くような空を切る距離感に目が覚める朝 ゆめまぼろしかのごとくこぼれ落ちた思考が 床で転がってこちらを見上げている 圧倒的に"愛されない"と思っていても 手にのこったあたたかさが記憶に新しくなったとき "愛されたい"が捨てきれない虚しさが溢れてくる どれが本当で、どこからがウソなのかか 全部本当か、全部嘘か 曖昧になれば、曖昧にすれば やわらかすぎた日日は 強めの日差しのしたで霞んできえた ほんとか

          余剰9年---20

          都合の良いウソでも側に落ちて安心することもある 例えば変化した距離感への戸惑いとか 真実ではないかもしれないその生暖かさとか 視線の流れつく先とか 半分無くした記憶は断片的な過去を滲ませる 優しさか、欲か。その曖昧さ、生暖かさが いろんな記憶をぐちゃぐちゃにする あなたがいてくれて良かったは本当だけど わたしがあなたのためにはならないも本当だ その優しさが本物だったとして 言葉の壁で理解に隔たりができることもある 人の本心なんて図り得ない奥の方で ゆらゆら風に靡く炎

          余剰9年---20

          余剰9年---19

          満ち足りた何かなんて きっと何処にもない いつも何処かにある空虚は埋まらないと悟ったとき 誰かといながら孤独感に苛まれるより 独り歩み続ける方が幾分かマシかと思った それでもぬくもりと交差点ですれ違ったとき 縋りたくなるその手が憐れに思える 口から出た言葉におどろいて 怖くなって、めんどくさい言葉をわざと並べて 必死に仕方ないと納得できる理由を作り出す 満たされたいなんて贅沢だ すきま風が吹くくらいがきっといい それでも壊れすぎたこの感覚は 何かを取り戻せなくなってい

          余剰9年---19

          余剰9年---18

          存在が空中分解してどこにもいなかったみたいだ 結局は承認要求の塊でしかないことに気づいて反吐が出る朝 手放したはずのものを必死に手の中に戻そうとしているみたいで滑稽で、 なんだ人間じゃん って諦めたみたいな夜をみる どれも自分じゃないみたいは全部自分なんじゃない と言われてハッとして それでも防衛線を築き上げるための言葉を並ぶ 面倒な人間だと、つくづく嫌気がさす かまってほしいだけじゃない と頭で繰り返されるのに 口からスルスル言葉が流れて止まらない 全て嫌に

          余剰9年---18

          余剰9年---17

          全部愛だし、愛じゃない 見せかけの優しさは 本心か 興味のなさが生むものか 誰かを信じたいから苦しいのに 信じても無駄だと 後ろに立つ過去が囁き続けている 嘘もホントもわからなくて 真っ当な大人になれないと涙が落ちる またひとつ自分を騙すため 手からこぼれ落ちた 感情だった何かを拾う ひとりでいいと強くなった気でいたのに 触れられる距離に温かさがかすめたとき 結局誰かやなにかに縋りたい自分を見つけて 絶望の断崖と睨めっこする 誰かに悟られそうな脆い表情で 今日

          余剰9年---17

          余剰9年---16

          久しい温かさに泣きそうになった日 それでもくだらない過去を並べて 遠ざけるようにする癖がなおってないことに気づく 取り戻せない言葉たちを絨毯に 包まれた温かさで安堵する 届かないものの中で 答えを探さなきゃいけなくて 手をどれだけ伸ばしたって 掴めないことが山のようにあることを知る 変わらない日常の たった少しの非日常が 進めていなかった部分を 少しずつ推し進める理由になるのかもしれない 物理的な冷たさが戻ったら また少しずつこの温度に慣れていけばいい

          余剰9年---16

          余剰9年---15

          さまざまなことに意味を求めすぎている気がする 割り切ったはずの感情が静かに波をたてている どうでもいいのにどうでも良くないという いかにも人間らしい感覚と共にぬるま湯の中で泡を吹く ずっと言葉に囚われている だれかの、知らない人の、そしてじぶんの 内側から溢れ出す 言葉に変えられない歪な塊と 言葉を意味を求めすぎる頭が 全くもって噛み合わない 手から少しずつ、でも絶え間なく溢れ落ちる 言葉や思考が拾いきれない川になって、海になる コンタクトや眼鏡で見える補正をしない

          余剰9年---15

          余剰9年---14

          あぁ、愛されたかったんだ と不意に、圧倒的な哀しみに襲われる 当たり前のように朝がきて 嘘だったみたいに夜がくる 目覚ましが幾度と声をあげても 目を背けたい明るさに抗い 重めの身体をギリギリのタイミングで起こす 愛されてなかったんじゃなくて 受け入れるだけの容量がない 愛するって?と考えるのは 執着との境界が曖昧だから 一体 "わたし" という存在はなんなんだろう からっぽの実像がただそれとなく日日をこなし 受け取れなかったものを探して、悲嘆して 愛なんてわからないと

          余剰9年---14

          余剰9年---13

          やっぱり最後じゃなかったみたいなことは存在する 内側にどこか影を感じ騙し騙し ここまでを、余剰を、生きながらえてきた 期待や希望は身を滅ぼすと知り 信用や信頼は羨望の対象だ 愛されるとはなんなのか?愛すとはなんなのか? 日を追うごとにわからなくなり 周囲の状況に敏感になる 言葉にできない感情が山のように積み重なり 手放したはずの感情に踊らされる どんどん独りを選んでいく 誰かに見つけて欲しいと願いながら 孤独であるべきと洗脳される 誰かと理解し合いたいと願うのに

          余剰9年---13

          余剰9年---12

          やはり生きるという行為は果てなく難しい 限りなく無に近い感情と 少し背伸びした精神を手にしたって 綻びが多すぎて突然空虚に襲われる 少しずつざらつくのを気づかないふりして どんどんからっぽになる心から目を逸らす 構築して壊す。自分を死守するための防衛戦 たしかな線引きもなくあいまいな境界だけが増えていく どんどん追い込まれていく ぎゅうぎゅうに詰まった小さな箱に 諦めだけが潔く、また孤独を選んでいく ひとりが安心なのに、1人は不安になる日 仲間が欲しいのに、仲間、友

          余剰9年---12

          余剰9年---11

          明日からも続きがあるような最後をいくつか経験して あぁ、日常にわりと転がっているんだなと思う そういえば最後だったんだ みたいなことは後になって思い出したりする 挨拶をしたかったような このままフワッとしていてよかったような これが本当の最後ではないような カーテンコールがあるわけじゃないし これっきりなことも多いわけだけど 最後だったらしい1日は なんでもない1日だったことが圧倒的に多い ただなんとなくそんな日だったと 余剰に刻まれていく お元気で 心の色を思い

          余剰9年---11

          余剰9年---10

          深夜、部屋に転がり込んだ煙草の匂いで目が覚める 懐かしいようなその香りは少し寂しさを連れてくる 絶妙な距離感とはまさしく もう少し近づいてみたくなったり うわついたみたいな心持ちに驚いたりする 人恋しい季節だからか 情けなくなってボヤっとする 手放してきた感情が Uターンしてきて 通行止めのゆらめきが止まらない なんにもないのに 繋げないのに 絶妙な距離さよならができないなんて 嫌になるそんな日

          余剰9年---10

          余剰9年---9

          結局のところ何も好きじゃなんだろうなほんとは 何かに執着していれば生きてるっぽいし。 生身の人間として、世間に馴染むことも必要だし そうやってここまで繋いできたわけだし 好きってなんだっけ? 頭ではずっと論争が起こっていて 結局何かがずっとこぼれ落ちている 生きるという行為に付随する事柄全てが呪いだ 眠ること、食べること、思考すること、呼吸すること あぁ、また日が巡っているのかと痛感させられる ただ、日を追うごとに全てが無色透明なものに変わって 空をつかむみたいな日常

          余剰9年---9