余剰9年---4
指先が青く、碧く染まっている
最後には必ずそうなる
自分の中の何かを可視化する手段のひとつ
それが感情か、言葉か、思想なのかは不明瞭
感情を感じ取りにくくなり
言葉に敏感に、意識に鈍感になる
そして音を遠ざける
手の中に溢れる情報は 視界を狭める
掴めない世界ばかりが広がって
自意識の範囲が正しさにかわる
徹底的な排除、いや、逃避
綱渡りすらできないバランスで
今日も世界は傾き続ける
青く染まった指先が 紡いだ渦
淡い青、薄い紫 水の色
どれだけ傾いても日は落ちる
だから日がのぼるのだろう
それだけは正しいと背伸びするように