余剰9年---2


あいも変わらず夜が明けた
強めに風が吹いて陽が射したと思ったら
突然大きい雨粒がこれでもかと落ちてくる

必要量を超えた人生の方が長い
必要量だったそれが真っ当だったかはわからない
待ち構える「余剰」が真っ当かなんてもっとわからない

呼吸をする 無意識に機能的に
労働する  生きるに必要な行為
食べる   身体を維持するために
眠る    心を休ませるために

余剰は隠居とは違う 隠居ならいいと幾度も思う
必要量を超えてからの方が存外大変だ
希薄な心を生きることに向かわせなければいけない

生活の維持が なにより心を蝕む
執着は薄くなるのに欲は消えない
何を求めているのか もうずっと前からわからない
前進か 後退か 寄り道か 迷子か

手から溢れた拾えなかった何か
塞がらない隙間への憐れみ
似た色の並んだ作業机

今日も1日が終わった
無意識に、機能として。
自問自答はまだまだおわらない

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