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うん、つまらない。「broken rage 」

北野武監督作品 Amazonプライムオリジナル

没になった企画案を悪ふざけで映像化したレベルで酷い

なんでこれを全世界に配信しようと思ったか謎。北野武作品はそれなりに好きだったからかなり残念というか、こんな中途半端な仕上がりになるなら作らないで欲しかった。タイトルに「レイジ」がついているのでおそらくアウトレイジを意識したのかさせたかったのか。最初のアウトレイジが名作(その後はナンバリングを追う毎にクオリティは落ちていったが)だったゆえに過去の栄光に泥を塗っているような気がして余計にやるせない気持ちになった。

セットがダサ過ぎて美術監督をクビにした方が良いレベル

普段あんまりこういった強い言葉は使わないがあえて今回は振り切っていこうと思う。今作は前後半のパートに分かれていて前半がシリアス(?)で後半がそれをセルフパロディするという内容。試みとしてはそこまで実験的か?と思ったがそんなことをしてる映画もあまり見受けられないのでそこは勇気があるなと賞賛されるべきなのだろうか。とにかく前後半で同じストーリー展開をして後半のパロディというかコメディパートを盛り上げようとしているが、そもそも前半のシリアスパートがもう酷いクオリティなのだ。白竜や浅野忠信、中村獅童といった実力派の俳優陣がゴロゴロ出演しているのにも関わらず見るに耐えない絵面が数秒と間を置かず繰り返される。その一番の原因はおそらくセット。背景のチープさだろう。

警察がネズミことビートたけしを取り調べする場所が、完全に外国のマフィアの拷問室みたいな場所だ。絶対に日本の警察の取り調べ室に見えない。後のパロディパートで「ああコレがやりたいから取り調べ室がこんなセットなのか?」と思ったが、それにしてもひど過ぎて違和感で背中が薄ら寒くなった。もうひとつ。仮にも警察からマークされるヤクザが経営してるバーが地方のなんちゃってラウンジみたいな造りをしていて、若頭と組長が飲んでる場所もVIP席には見えないからなんか妙な空気になってる。

Amazonプライムがお金をケチったのか。後半パートの為にわざとコントっぽいセットにしたのか。どちらにせよ映画としてはただでさえ陳腐でお粗末な内容に拍車がかかってしまいどこをどう切り取っても駄作としか言えない代物になってしまった。

配信だしよっぽど時間があって興味があれば観ても良いと思うが正直まったくオススメできない。

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