第4章 中学受験算数と学習環境の密接な関係
中学受験において、算数は非常に重要な科目ですが、その学習効果を最大限に引き出すには、子供の集中力を高めるための適切な環境作りが欠かせません。
どんなに優れた教材や計画があっても、学習する場所が整っていないと子供は本来の力を発揮できません。特に算数のような論理的思考を求められる科目では、集中できる環境が不可欠です。
1.学習環境が成績に与える影響
静かで整った学習環境は、子供の集中力を高め、勉強への意欲を引き出します。逆に、周囲に物が散らかっていたり、騒がしい環境では、注意が散漫になり、集中が途切れやすくなります。
特に算数では、複雑な問題を解く際に頭を整理し、冷静に取り組むことが求められるため、環境が整っていることが成績に直結します。
2.理想的な学習スペースのポイント
理想的な学習環境とは、まず整理整頓された机と静かな空間です。机の上には必要な教材以外は置かず、視覚的な刺激を減らすことが重要です。また、適度な照明と快適な椅子も、子供が長時間集中して学習に取り組める環境を作り出します。
3.家族の協力も鍵となる
学習環境を整えるのは親の役割ですが、家庭全体での協力も重要です。例えば、他の家族が静かに過ごしたり、テレビやスマホの使用を控えることで、子供の集中を妨げないようにすることが大切です。家族全員で学習を応援する姿勢が、子供のやる気を引き出すことに繋がります。
4.環境を整えるための具体的なステップ
まずは、机の周りを整理し、必要な教材のみを置くことから始めましょう。部屋全体を改装する必要はありませんが、机の配置や椅子の選び方、照明の見直しなど、少しずつ改善していくことで、子供が集中しやすい環境を作ることができます。また、時計やカレンダーを活用して時間管理を意識させるのも効果的です。
5.集中を妨げる要因とその対策
学習中に集中を妨げる要因として、テレビ、スマホ、雑音などが挙げられます。
これらの影響を最小限に抑えるために、勉強中はデバイスを別の部屋に置いたり、リビングではなく静かな部屋で学習するなどの対策を講じましょう。また、休憩時間をうまく取り入れることで、メリハリのある学習が可能になります。
まとめ 整理整頓と学力の関係
学習環境の整備は、単に物理的な面だけでなく、子供の脳の働きにも影響を与える可能性が高いです。
まず、勉強をしている部屋の掃除や整理整頓をどのくらいの頻度で行っているかは非常に重要です。
成績が上がらない子供に共通して見られるのは、「自分でどこに何をしまったのかわからない」「大切なノートをなくしてしまった」、「自分の字が汚くて読めない」、「お母さんが全部管理してる」などといった状況です。これは、勉強への意欲や集中力にも悪影響を与える可能性があります。
私は、部屋の整理整頓と脳内の整理具合は連動していると考えています。
つまり、部屋がごちゃごちゃな子供は、いくらインプットをしても知識をうまく頭の中で統合できません。学習環境が整っていなければ、効率的なアウトプットも難しくなりますし、物が整理されていても、どこに何があるのかわからなければ、それは知識の整理ができていない状態と同じです。
また、親が子供の整理整頓を代わりにやっている場合、勉強も親が手伝っていることが多く、子供は他力本願な状態になりがちです。このような状況では、子供自身が学習する力や自立心が育ちにくくなります。受験においても、自分で解決しようとする力が欠け、伸び悩みの原因になるかもしれません。
整理整頓や片付けは、しつけの一環です。親が責任を持って小学校高学年までにこの習慣を身につけさせることが、子供の学力向上に繋がる重要な要素だと考えます。
算数などの論理的思考を必要とする科目においては、特にこの「整理された思考」が問われるため、日々の環境整備がカギとなるでしょう。
朝ジュクの管理人
論理的な思考が習慣的にできるよう、静かで集中できる学習スペースを確保してあげましょう。部屋全体を改装する必要はありませんが、机の周りが整理されていて、無駄な刺激やゲーム、漫画などが視界に入らない環境を作ることがポイントです。
さらに、時間の管理も環境の一部です。勉強の時間を一定にし、ルーティン化することで、子供はその時間に自然と「勉強モード」になります。朝の学習習慣も、同じ時間に始めることで、脳がその時間を「集中する時間」として認識しやすくなります。
例えば、1日のスケジュールを一緒に考えてみましょう。
6:00〜6:30 早朝学習(計算練習や復習)
7:00〜7:30 朝食&リフレッシュタイム
17:00〜18:00 帰宅後の復習時間(応用問題やテスト対策)
こうしたスケジュールを親子で作ることで、子供に「自分の時間をコントロールする力」も自然と育まれます。しっかりとした環境と計画があれば、算数の成績も効率よく上がっていくことでしょう。