第34回『寿司職人への道⑤』

最近、物欲がありません。
もっと正確に言うと「物欲がない」というより、「お金がない」のかもしれません。
年齢とともに、欲しい物の値段も上がった気がします。
見栄は張らない。貯金が好き。
どうも、あさい妹です。


ここでは浅井兄妹が交換noteを書いていきます。
ほっかほかの肉まんでも食べながら、どうぞのんびりしていってください。



今回は『寿司職人への道④』の続きを書きます。


寿司職人への道⑤


いきなり寿司屋に転職して7ヶ月。
求人には「3ヶ月で握れます」と書かれていたが、一向にお寿司を握らせてもらえる気配はなかった。

手荒れもどんどん酷くなり、自分でも「これでは人前に立てる手ではない」と思うほどだった。

先輩からは一方的に理不尽に怒鳴られ、「職人の世界とはこういうものだ」と言い聞かせることにも、もう疲れてしまっていた。




限界を迎えた日。


私は従業員の前で、自分がどんな思いでここにやってきたのかを話した。



気付けば、私も、みんなも泣いていた。


先輩から謝罪の言葉を受け、そして私は店を去った。




鏡に映った自分の顔を見て、あまりにも疲れ切った表情に「なんだか、どっと老けたなぁ。」とボロボロになった指でほほを縦になぞった。

それでも、私の中に”諦める”という選択肢はなかった。寿司職人への道を、憧れや挑戦だけで終わらせたくなかったのだ。


どんなに辛くても、これがすべてだと思わず、自分に合う場所が見つかるまで探し続けようと決めた。



つづく



ここからは私の背中を押してくれた動画や、書籍をご紹介します。


1.鮨竹 三好さんのインタビュー

「怒っていたら怒ったお寿司になってしまう」
それは寿司職人を目指すことを考えていたとき、怒れない性格の私にぴったりかもしれないと背中をぽんと押してくれた言葉だった。


2.ニューヨークで活躍する女性寿司職人のインタビュー
初めて知ったアメリカ人の女性寿司職人。
自分のスタイルを確立していて、とてもかっこいい。


3.私は料理で生きていく
男女問わず、料理人を目指す人におすすめしたい一冊。この本を読んでいたから事前に問題を回避できたこともあったくらい、助けられた本。


4.北欧こじらせ日記

寿司職人を目指すまでの考えや、感じ方が自分ととても近く、いつかchikaさんにどこかで会える気がしてしまっています。おすすめNo. 1の一冊です。


5.魚の便利帳
あさい兄から頂いた本。いつでも読めるよう本棚の一番取り出しやすいところに置いてあります。


6.dancyu
これはもう永久保存版だと思っています。


7.すきやばし次郎 旬を握る
文庫サイズなのも嬉しい。次郎さんの見習いになった気分になれる本。


8.鮨のすべて
この本を生徒に配る寿司学校もあるんだとか。
この一冊を完成させるのに、一体どのくらい時間がかかったのだろう。恐ろしいほど詳しく、写真付きでわかりやすく説明されています。


9.日本料理大全
いつもお世話になっている包丁屋さんから教えていただいた本。
こちらも写真付きでたいへん勉強になる一冊です。


10.専門料理
毎月楽しみにしている雑誌。


11.おいしさの表現辞典
料理は添える言葉によって味の感じ方が変わるなと思い、興味を持った本。


12.オペレーション科学/絶対にやってはいけない飲食店の法則25
仕事で悩んだときに出会った本。


13.寿司屋のかみさん サヨナラ大将
アサイ兄から頂いた本。ほろりとなる一冊。


14.飾り切り教本

飾り切りの本の中で一番好きな本でした。まさに芸術!


15.飾りずしの技術 細工ずしの技術

お寿司は楽しい!と思わせてくれる本。ずっとこの本を開いた時の気持ちを忘れずにいたいです。





アサイ兄へ

年末ジャンボ200円当たりました。

あさい妹より



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