
シャン族新年祭(ミャンマー)2018
Shan シャン族
ミャンマーのタウンジーは、ミャンマー第五位の都市でありシャン州の州都でもある。したがってあくまでもミャンマー的には大都市だ。もちろん国際的にみると田舎の街に過ぎないのだけれども。街の市場をのぞくと、屋根のない路上で多くの商いが行われている。しかしこれでも毎日開催されているのでミャンマーとしては一応都会である。
シャン州の大部分を占めるシャン族は民族的には非常に大きな括りであるらしい。祭りの時の服装でも同じシャン族といってもかなりバリエーション豊かである。ちなみにインレー湖周辺にはインダー族が住んでいて漁業で生計を立てているけれどインダー族もシャン族の支系の一つだという。つまりシャン族で漁師をしているタイプがインダーと呼ばれるらしい。
そんなシャン族では独特の暦があり、12月に新年を迎える。今回は新年を迎えるタウンジーの様子を見てきた。
新年祭
2018年は12月の初め頃が新年にあたる。日本では冬に入る肌寒い時期だ。しかしこの時期のシャン州はまだ暖かい。基本的に半袖で生活できるほどの気候なのである。日本人に染み付いている新年の季節というものは雪を思わせるような寒い冬の時期というイメージはここでは全く通用しない。
この日は朝から各村の参加者がパレードで寺院に向かう。このパレードはかなり長く千人規模ほどのものだ。参加グループはかなり内容的にはバラバラで神輿を担ぐグループや、大規模の音楽隊を結成していたり、ひたすら踊りまくっていたり、村ごとの特徴を表しているのかよくわからないけど、お祝いムードで街の中心寺院までゆっくりゆっくりと進行していく。かなり時間はかかるし、パレードとはいっても緩いものなので被り物を脱いで(日本なら絶対にありえない!)休憩したり、みんなと写メを撮りあったりとのんびりムードだ。寺院前に到着すると踊りを奉納するかのようにひときわ派手に踊りまくって隣に広場に移動していく。広場にはステージが設営されていてこの後の催しはこちらとなるようだ。広場ではまだ踊り足りないグループが踊っているが、大部分は階段席に座り、正面にあるステージで踊りなどを楽しむ。流れはシンプルなのだが、なんせ参加人数が膨大なので寺院にみんなが到着するだけ数時間ほどもかかる。正午を数時間超えたころにパレードは終わり参加者に昼食が振舞われ中休みとなる。





ちょっと服装について書いておくと、ミャンマーでは一般的にロンジーと呼ばれる布を腰に巻くケースが多い。しかしシャン族には基本的にロンジーというのはなくズボンのようなものが伝統衣装だ。もちろんロンジーをはいている人も一応いる。

そしてシャン族の一部は頭に布を巻いている。布の巻き方に特徴があって両サイドを耳のように広げたりもする。するとシルエット的にまるでミッキーマウスぽくなって特に子供がそんな感じで巻いていると最強にカワイイ!

夕方から夜の部が始まる。タウンジー市民はこちらの方が楽しみなようで多くの観客が詰めかける。民族舞踊は多少あるが、メインとなるのはミャンマー歌手による生バンド演奏だ。こちらの方は伝統色があまりないので、私は途中で帰ったけど、演奏は延々と続きおそらく日付が変わる少し前までホテルにも聞こえてきた。全部見るにはちょっと体力がいるだろう。
翌日にはお寺に寄進とかの儀式があるようだが、こちらの方は簡素すぎてあまり面白くはないという話なので行かなかった。
トゥナーヤー
ちょっとここでミャンマー独特のキャラクターを紹介しよう。日本にも祭りの時に獅子舞というのがあるようにミャンマーにも独特の被り物などがある。鹿みたいなものはトゥナーヤーと呼ばれる。基本的に二人で演じるタイプだ。ステージで踊っているときに、どうやらお金を渡すといいことがあるらしい。お金を渡すときはステージに上がってもいいことになっている。そしてトゥナーヤーを演じる人は手を出して受け取れないので仮面の口だけでお金を飲み込むようにして受け取っていく。

ケイナーヤーとケイネイ
もう一つは妖精のような羽の着いたキャラクター。男はケイネイ、女はケイナーヤーと呼ばれるが、パレードでは圧倒的に女性のケイナーヤーの方が多い。これは恋の神様とされており、二人は1晩会えなかっただけで7年も泣き続けたという伝説を持っている。見た目にも華やかで羽をひらひらさせながら歩いていく。どちらかといえばこっちの方がいわゆるインスタ映えしそうな感じだ。パレードの時は大勢のケイナーヤーが踊っていたので、ミャンマー女性に人気があって成り手が多いのかも。ひょっとして恋の神様にすがるのは世界共通の女性の願望なのかもしれない。

超マニアックな海外の辺境で色々撮影しておりSNSで情報発信してます。
もし興味があればフォローよろしくお願いいたします。
ホムペ
X (旧 twitter)
instagram
threads
facebook
youtube