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身体表現性障害の心理療法
身体症状の誤った解釈、こころの奥にある葛藤、目の前のストレスに対する回避といった心理的な要因から身体症状が生じています。
そのため、認知行動療法や森田療法などの心理療法を受けてストレスと向き合ったり、葛藤がある場合には洞察的な精神療法を重ねることで、少しずつ症状は落ち着いていきます。
こういった心理療法は、医師ではなく公認心理師が専門家となります。しかしながら心理療法に保険適応はされず、自費となります。
認知行動療法
人は様々な経験を重ねることで、物事の受け止め方や感情のいだき方が作られていきます。こういった物事のとらえ方を、認知と呼んでいます。
その認知のあり方に歪みや偏りがあると、物事の受け止め方、感情そして行動に良くない影響が出てしまい、様々な精神症状や身体症状が出てしまいます。
認知行動療法とはその認知の偏りや歪みを是正し、少しずつ柔軟で問題解決しやすい思考に変化させていく療法です。
まずは自分自身の問題や葛藤、ストレスの質を知り、そのストレスから逃げ出してしまう思考(自動思考)のくせを知ることから始めます。
次にその考えに変わる思考(適切な思考)を学び、ストレスや葛藤から身体症状などを引き起こさない認知に変化させていきます。
森田療法
ストレスにさらされると、不安・恐怖・緊張などの感情や、動悸・ふるえ・発汗などの身体反応があらわれますが、森田療法では自然なものと考えます。
その感情や身体反応を消そうとすればするほど、自分に注意が集中してしまいます。そしてより激しく恐怖などの感情が生まれ、身体反応が強くなってしまう悪循環が生まれてしまいます。
身体表現性障害の患者さんは、身体症状や重大な病気への不安を抱えていますが、それは自分が問題解決ができない、上手くいかないことに対しての避けてしまう心理葛藤が含まれています。
ですから森田療法では、こういった感情や身体反応は自然なものと考え、「あってはならないもの」とはせず、むしろ何とか消し去ろうとすることが不自然ととらえています。
今の状態を無理やりかき消すのではなく、そのような自分を受け入れる感情が自然に湧き出るようになります。「ありのままの自分」をみつめていく中で、身体症状につらさを表現したり、病気に対してとらわれることは少しずつ消えていきます。
原因がわからない身体の異常があるときは
生活するうえで嫌なこと避けたいことはたくさんあります。
仕事や学校といった社会生活だけでなく、夫婦のことや子供のこと、友人やご近所付き合いといった日常生活にもストレスを感じることはあります。
そのようなストレスを解消するために、身体症状に置き換えてしまったり、病気への心配となって表れるのが身体表現性障害といえます。そして身体の心配が中心なので、心の病気というよりは身体の病気として医療機関に相談されることが多いのです。
もしも身体症状で悩んでいて、その原因がはっきりしない場合は、身体表現性障害という心の病気の可能性があります。それは気持ちの問題といったものではなく、確かにツライ症状が本人にあります。
心の病気であることを理解するだけでも、身体症状が和らぐこともあります。心の治療を行っていくことで、症状が楽になることも少なくありません。