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ほんの記事

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2022年3月の記事一覧

伊沢拓司が「こんな言い訳ばっかりな作者インタビューもなかなかない」と吐露した理由

――社業や芸能活動がお忙しい中、深夜に時間を作り孤独に耐えてご執筆を継続されたとお聞きしました。並大抵の精神力ではなし得なかったと思います。完成まで書き続けることができた、伊沢さんのモチベーションについて教えていただけますでしょうか。 伊沢:僕は単純に、文章で伝わる自己のイメージについて過度に気にしいなんだと思います。インタビュー原稿とかも沢山直しちゃうんです。本を書くときも、以前聞き書きでやってもらおうとしたこともあったんですけど、伝えたいことが上手く伝わらない文章になっ

自殺に至ることも…「荷下ろしうつ」とは? 元自衛隊メンタル教官に聞く

 65歳から90歳までの25年は、社会人となってから50代になるまでの月日と、ちょうど同じぐらいの長さ。定年後に過ごしていく老年期は「自らの老いを受け容れながら、生き方を選んでいく期間。まさに、人生の退却作戦です」と話すのは、元自衛隊メンタル教官で『50代から心を整える技術』の著者でもある下園壮太さんだ。  作戦の際には、「最悪のケースを想定」し、「今できることを考える」という2本立てのプロセスが有効だという。定年というターニングポイントも、楽観は許されない退却作戦だ。実は

伊沢拓司「早押しクイズでの“誤答”は勝つための手段」クイズ王が分析するクイズの世界

――本書で「クイズの誤答」との向き合い方を理論立てて解説されています。競技クイズプレーヤーにとっても、これまで意識し語られることが少なかった視点なのではないでしょうか。 伊沢:アマチュアクイズの世界では、誤答というのは大変大事なテーマで、おそらくここに書いてあるようなことは頭の中では意識されてきたし、各所各所で議論はされてきていると思います。ただやはり、前提として置かなければいけない情報が多くて、早押しクイズはどういうものかとか、ルールにどのようなものがあるかとか、そういう

元自衛隊メンタル教官に聞く!定年後「うつ」を避けるために50代の今、すべきこと

 定年が射程距離内に入ってくる一方で、体力やストレス耐性の低下を実感しはじめる50代。「定年後にがっくりと気力をなくしてしまい、うつ状態になる人がいる」と聞くと、「他人事ではないな」と危機感を抱くかもしれない。 「定年を迎えたときと、うつ状態からのリハビリ期は、共通している部分がとても多いのです」と、元自衛隊メンタル教官で『50代から心を整える技術』の著者でもある下園壮太さんは言う。  両者に共通しているのは、「目標の立て直し」が必要となること。「これまでのやり方では通用

クイズ王・伊沢拓司が解き明かす「クイズ王がボタンを早く押せる謎」

――過去の「クイズ王」の本とは、異色の内容となっているとのことですがその違いについて教えていただけますか。 伊沢:もちろん、この本も先人たちの系譜の中にあって、それこそ、北川宣浩さん(第2回アメリカ横断ウルトラクイズ優勝等)、道蔦岳史さん(クイズ番組14冠)、長戸勇人さん(第13回アメリカ横断ウルトラクイズ優勝等)といったクイズ界の先輩による書籍からの影響はあります。むしろ、現代のクイズ人たちが常識として身につけている理論や方法は、彼ら先人たちが築き上げてきたものなので、も

自衛隊の定年は55歳でうつ状態になる人も…知られざる第二の人生を自衛隊メンタル教官に聞く

 定年まであと何年ですか?  タイミングは人それぞれだが、日々の忙しさに埋もれていると、あっと言う間にやってきそうだ。 「老後資金など、お金の準備について思いを巡らせる人は多いのですが、多くの人は、新たな環境に向けて自らの価値観をゆるめたり、生涯楽しめそうな“好きなこと”を見つける、といった心の準備をし忘れたままで、定年生活に突入します。その結果、がらりと変わる環境や人間関係に適応できず、悩みを深めるケースが多いのです」と、元自衛隊メンタル教官で『50代から心を整える技術

「小1ギャップ」に備えて、入学前に子どもに身につけさせたいこと

 入学までに子どもに身につけさせたいのは、「大人に対する信頼感」です。  親は、「大人は困ったときには手を差し伸べてくれる存在」「困ったときは助けを求めていい存在」だと、子どもにしっかり伝えてほしいのです。  子どもというのは年齢が低ければ低いほど、自分の知っている世界に寄りかかっていたい、自分の知っている世界にいて安心していたいという気持ちがあります。ところが、小学校はそれまでの生活とは何もかも違いますから、わくわくやドキドキといったポジティブな感情と同時に大きな不安も