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フィンランドでの朝ごはん。だから踊っている。家庭と学校と私のシークレットスペースについて。
おはよう。こんにちは。こんばんは。ダンサー・振付家のasamicroです。
気がついたら、前回の投稿から10ヶ月も経っていました。ほぼ一年近くサボっていました。この10ヶ月だけでも大分色々な事がありすぎて、書きたい事も多すぎて今からの告知も多すぎて、まとまらないけど、あえてちゃんと絞って今日はお話をしようと思います。
フィンランドへやっと行き、朝ごはんダンスを見つけました。
5月はフィンランドへ行ってました。色んな気持ちを持ってハラハラと1人、ドキドキとコケシが彷徨っていました。あの時の感情は大分時間が経ってしまったのですが、ずっと行きたかった所、やり残した想い、確かめたいこと、それでもやっぱり踊りを見つけたくて行っていました。たくさんの踊りも見てきました。
あれだけ念願だったのだから、山ほど写真を撮りまくるかと思ったけれど、嬉しくて確かめたくて結構写真撮らずに歩きまくっていました。今日は楽しかった思い出と見てきた景色のシェアでは無い形で投稿したくて書いています。
身体が起きてゆくこと、朝に、社会にグラデーションをつけること
フィンランドから戻ってきてから、私はすぐに自分の借りているシェアアトリエで(実は春からアトリエを借りました)OPEN STUDIOをしてもらい、展示を行いました。フィンランド滞在中もこの事を想いでずっと作品にまつわるネタ探しや映像を撮って歩いていました。
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「マーキュリーパワーウェイクミーアップ展」というタイトルで展示を行いました。
ーご挨拶ー
今回の展示「asamicro マーキュリーパワーウェイクミーアップ」展では変身願望について向き合っています。
私は小学校低学年の頃から踊りをしていました。
”ダンスが好きだった”というよりは、 ”⚪︎⚪︎になりたかった” と、自分ではない誰かに変化できる事がとても好きだったのです。
本展ではセーラーマーキュリー、水野亜美ちゃんを表現のモチーフとしております。映像作品でも述べておりますが、私は自身の名前が「アサミ」であり、(あ)が付くことから”あっちゃん”と呼ばれ、亜美ちゃんも(あ)が付く理由から、幼稚絵の頃からセーラームーンごっこをする際は有無も言わさずマーキュリー役を担当することになりました。本当はセーラービーナス(美奈子ちゃん)がやりたかったのです。でも、必ず笑顔で喜んでアミちゃんを引き受けていました。いつも少し違う理想に自分自身が存在していた感覚を覚えています。今考えると、私がなりたかったのはセーラービーナスではなく、
”やりたくない、と言える 自分自身”
だったのだと思います。そしていつも、強い女性になりたいと思いながら生きてきました。美少女戦士セーラームーンのように美しくて人気があって、自分の意見をしっかりと持ちながら世の中の為に、地球の為に、仲間と一緒に戦う姿は、幼稚園の頃から心に刻まれた憧れの強さでした。
フィンランドは女性たちが政治を牽引し、同性婚が認められており、性差の少ない平等な社会つくりを築き上げている国としても有名です。また、暮らしにおける豊かさとして、個々の時間も尊重され、仕事と家庭、そして自分自身という存在を大切に社会全体で向き合っている姿勢にとても憧れや学びを感じます。私はこの中に ”芯の強さ” があるのではないかと感じています。
人生の中で、【強い】とはどういう意味を持っているのか、という事を近年考えるようになりました。そして、それは私にとってダンサーとしての【強さ】を問うものでもあります。そして、戦う相手を間違っていないのか、私の中の戦士は何を救いたいのか、ということをもう一度立ち止まって考える必要があると感じています。そんな想いから、兼ねてから憧れていたフィンランドへ出向き、今このタイミングで記録を行い、自分の中の踊りを見つめ、自身の創作スタイルである(朝・朝ごはん)という踊りを貫いてゆこうと思います。また、近い将来フィンランドで制作活動や作品発表を行なっていくためのバイブスにしようと思い、【asamicro マーキュリーパワーウェイクミーアップ」展を開催することにいたしました。
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このAsa-gohan danceという作品では、記録手帳(ZINE)と映像作品と全てセットでひとつの作品になっています。
物価高で節約行動だった私、滞在中のホテルで出る無料朝食ビュッフェで1日分の消費カロリーを摂取できるくらいの大量の朝ごはん食べ続けた。しかし、大量に食べるためには体内の空きを作らなければならなかったので、早朝に起き、毎朝窓枠の舞台で踊ってから一階のビュッフェ会場へ向かった。
作品では、1日歩き回り、その日支払った金額のレシートを貼り付け、毎朝踊る際の窓枠内で得れる太陽光の計測数値も記載した。そして振付記録も行いました。
この作品では、幼少期不登校だった頃の私は朝食を食べることも外出することも好ましくなく、窓の内側から外を覗き込んでいた環境下と現在を比較した【変身できた姿】として映し出し、食を摂取し、体力と金銭を外の世界に消費する循環のリズムをユーモアに振付として記録をしています。
今回特別に、展示映像一部をこちらに掲載します、滞在中の朝の踊りです。
とにかく毎日2万5千歩以上歩き、毎朝踊って光を計測しては大量に朝ごはんを食べていた。やっと念願のフィンランドに行ったのに、サーモンスープもミートボールもトナカイも何も食べていないし、大体の観光地は行ったものの気がついたら大体写真も撮ってこなかった。次は絶対にサーモンスープくらいは食べないと。。。哀しい。。。
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本当に、笑ってしまうが、かもめ食堂で私は泣きそうになった。照り焼き丼を食べて笑。(かもめ食堂は現在は日本人が経営しており外国人に好まれる日本食を出しています。接客素晴らしいお兄ちゃんでした)
嬉しかったのは、現地のダンサーさん達やいつかレジデンスしたいフィスカースのアーティストさんと出会えたことや、地元のダンス教室の発表会を観てきたり、テキスタイルデザイナーの島塚絵里さんともお会いする事ができ、現地での暮らしや子育てのお話を聞かせて頂き、本当に私はラッキーだった。その後も絵里さんのアテンドでフィンランを回る事ができた。本当に優しい方で感謝しています。またいつか会えますように、、、
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今日話したかったのは展示の報告だけはない。だから久しぶりにnoteを開いた。
朝ごはんダンスを物理的に向き合ってゆく準備
私はこのnoteでも何回もお話ししていますが、自分自身の不登校やひきもりだった頃からの経験でのコンプレックスや記憶が着火剤となって【朝ごはん】がとても苦手だったが故に、作品モチーフとして取り入れ、一つのケアや正義感のような勢いで表現を行なっている事がありました。デザイン性と感情論を掛け合わせて、出来上がっている未熟な面もまだ多く、そうやって駆け抜けてきました。
でも今少し感じていることは。。。
誰だって、少ししんどくて、誰だって少し怖くて、誰だって主張がある
です。当たり前のことを言っているのですが、ここが少し見落としていたこともあったはずです。勝手に弱者という枠を自分が作っていた気もしていました。思いが強いほどに、境界線を私自身がひいてしまっているのではないかと自分自身が最も進みたくない方向へ行ってしまう危険性があるのではないかと考え始めました。そして、表現は踊りはもっと平等にもっとシンプルに大きな力を持っているはずで、そこを信じ、抽出する努力をする必要が今の私の課題だと思い始めました。
なぜなら、伝えたいことは「大丈夫だよ、そのままでいいんだよ」ではなく、どうしようもなく落ち込んだり、自己解決ができない状況の時や当事者が身動き取れなくなってしまった時に、周囲の人含め、”感情や行動の選択をできる” という情報や時間・空間を提供していくことを行いたいのです。
フィンランドでテキスタイルデザイナーの島塚絵里さんとランチした時、お子さんを持ちながら素敵なお仕事をされている絵里さんに質問をしました。
フィンランドではフリースクールなど不登校児のケア場所はあるのですか?
「聞いたことないです。フィンランドではむしろもっと義務教育は義務で、行かないという選択肢は用意されていないくらいの感覚があります。」とおっしゃられ、それを聞いた私は少しギギっと苦しくなり行き場がなくなった子はどうしたらいいのだろうと止まってしまいました。
「でも、、学校という場所がそこまで大きな存在じゃないんです。午前中で終わることもあるし、一年を通して休校も多いです。でも共働き社会で、女性も仕事をしていない人が居ないくらいの環境なので、ほとんどの子が習い事をしており、学校が終わると様々な学びの場所や学童のような場所へ行っている。なので、学校と私という関係地ではなく、あくまで一つの場所に過ぎず、そこが嫌いでも他にもう一つ、二つと自身の居場所というか、尊重される空間が当たり前のようにあるから、そんなに深刻に感情を引きずらないのかも知れない。それに、週に一回は低学年のクラスでも感情の授業というのがあって、どんなに小さなことでも嫌だったことや気になることを話し合っていく時間があるんです。」
そんなことを話してくださいました。もう、めちゃくちゃ納得をしました。私が小学校1年生の頃は、<学校=私=家庭>の居場所のルーティーンであり、2箇所の情報が私の身体の全てだった。全ての世界だった。
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そんな出会いや考えもあって、もっと物理的に、現象と現状を見つめ身体を起き上がらせてゆくことをダンサー・振付家としてどのように捉えて学び、作品にしてゆくのかということを今からもっと挑戦するべきだと考え始めています。
セロトニン分泌を促す行動パターンとは
幸せホルモンと言われるセロトニン分泌は太陽光を15分以上浴びると効果的と言われますが、次にリズム運動も効果的です(リズム運動とは咀嚼や歩くといった一定のリズムで行う運動)ここに着目するとやはり、白夜・極夜のあるフィンランドでは暮らしにおける太陽光の取り入れ方や、同等の光を浴びる事ができる照明器具や会社における休暇のタイミング、(極夜は鬱傾向になりやすいので過酷な労働環境を抑え、休暇を多く取れるスケジュールを年間通して調整する会社などもある)またビタミン剤で常日頃から身体のバランスを補う知識などもある。
私の住む日本ではどうだろうか、日本には四季がありフィンランドとは気候も違うが、天候関わらず、心が沈んでしまった時どのように向き合っているのか、いろいろな自己啓発本やメンタルトレーニングなどもあるが、もっとシンプルに具体的に、ダンサー振付家として自然治癒力や自己肯定感を自分の暮らしの中で高めるルーティーンを提示していこう。環境をつくるのではなく、ひとつの暮らしの選択をナチュラルにつくろうと考えています。
そんな思いでいたら、ルートデザイン合同会社が運営する、PILEというクリエーターの創造施設主催で企画を担当することになりました。このPILEは神奈川県横浜市にある星川駅から天王町駅(相鉄線)に広がる高架下を有効活用した”星天qlay”という場所にあります。
10月から日常をフラットにケアする asamicroの企画が始まります。
上記の概要をみて少しでも興味持ってくれたり、あ〜なんかasamicro会ってみたいかも!って思ってくださったら是非、第一、第三の月曜日に会いにいらしてくださいね。ディスカッションをするのではなく対話をしましょう、言葉がなかったら一緒に好きな写真や本でも紹介し合いましょう。あなたの好きと私の好きを自慢し合う時間をつくりましょう。踊ってみたかったら踊りの時間にもきてみてください。
いつだって、誰だって、決めるのはあなた。誰からも奪われないし消費されないけれど、もし少し今に納得していないなら、時期を見て少し工夫をする必要があります。それは大きなことではなく、小さな刺激です。自身の度合いに合わせて、達成感を創るのです。それは父ちゃん、母ちゃん、先生が指示するのでは意味がありません。もし周囲に情報をお勧めするならば、その情報を体感してから言葉にしてゆくとすごく豊かになっていきますよね、私の今のこの言葉たちがすごくキツく感じてしまう段階もあると思います。それでも私は、言います。「ありのままのあなたで大丈夫」と言われる状況下にずっといると、ありのままの私は居なくなってしまう事があります。だから、
たくさんのありのままの私を、心に住まわせて、いろんな場所でお茶してください。
私は自身の辛かった経験や生きづらかった感情を大切に大切にしながら、もっと今の生活と自然現象や心や身体の可能性を信じて行動を起こしたいです。そして、おいしい珈琲とおいしいケーキを食べて過ごしたいです。
10ヶ月のぶりの投稿はとても長いものになりました。実は年末、今年度に向けて公演も2つ控えており、制作もハラハラです。でも焦らず自信を持って頑張ります(応援してね)
今日はそんな感じです。一つ!!ここまで話した思いや行動を見つめて、Spotifyにて朝ごはんダンスラジオという番組を始めました。上記のような想いをライトに話しています。よかったらご視聴くださいね。
最新版のリンクを貼っておきます。
ではまた会いましょう〜。もう少しnote復活できたらいいな。
asamicro
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