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ウォーキング小話


あら?前回の続き……を打ち込むつもりが、ちょっと今日も歩き疲れた話しがしたくなって寝る前にぐだぐだしている。
え?疲れた話しばかりじゃないかって?わかる。めっちゃわかるわ。だって毎日疲れてるんだもの。あ〜足痛ぇ〜。


と、冒頭からウォーキングへの文句を述べたところでサクッと本題へ。

実はスマホを変えた日、何時間もお店で過ごす羽目になってしまい、終わった頃には精神的にもクッタクタのコッタコタでそれから歩く気にもなれず。でもその日の歩数は500歩あるかないか。
え、これやばくない?と思いつつも、もう世界滅べくらいの勢いでダークネス夜霧雷雨になっていた私はそのまま静かにすやりと寝たのだが。

それがまさか、こんなに平均歩数を下げるだなんて……

いやいや、そうなると知りつつも全てを放棄したあの夜はしかと覚えているけれど、けどさぁ。
その他の方々は謎に歩数を上げている中、ざわつく程に歩数を下げた事がじわじわと苦しくて……。

これはだめだ!歩かんといかん!と一念発起して、家でぼーっとテレビを見ていた母に「あのさぁ!何で私こんな歩かなあかんの!?あーだるっ!本当ふざけてる!こんなの早く終われ!!ビーーー(自主規制)」と、散々ウォーキングへの不満を言いまくり「じゃあ歩かなきゃいいしょ。あんたも疲れてるんだし」と母が言えば、「……負けられない戦いがあるんや!!」と帽子を被って出て行くという寸劇を繰り広げ(しっかしこんな娘だるいな)
そして、ようやく外へと飛び出した朝。

今日は朝と夕方の二本立てで行くと決め、いつものルートをガツガツ歩く。
すると折り返し地点から少し歩いたところで、歩道脇に四角く光る何かが見えた。

一度は通り過ぎたものの、待てよ。あの形状はもしやクレジットカードでは?と思った私は立ち止まり、踵を翻す。
振り返るとすぐそこに、さっきまで私の後ろにいた散歩中の大きなワンコがいて驚きつつもそのカードの場所まで戻りまじまじと観察してから拾い上げる。それはSuicaだった。しかも名前が入っている。

我が街ではあまりSuicaの出番が無い為、一瞬うーん、Suicaか……どうせ入ってても小銭くらいでは……もしかして散歩中にもう要らねって捨てたのかな……という謎心理が働いたのだが、いやいや待て。これはお金が絡むカードだ。しかも名前が入っている。
そう思い直した私は、近くにいた大きなワンコを連れた男性に「すみません、こういうの拾ったら警察に届けた方がいいですよね?」と声を掛けると「うーーん、ですかねぇ……まぁ、余裕があれば……笑」という微妙な返事だった。
もしかして私と同じく謎心理が働いたのでは?と悟った。(違うかな)

はあ。とため息を一つ。
元々行くルートを変更し、交番へと向かった。

ガラガラ、すみませーん。

誰も居ないのは知っていた。
だから若干躊躇したのだ。待ち時間が発生するから家に帰るの遅くなるなぁと……。
とりあえず備え付けの電話で要件を話すと、10分後くらいに到着しますのでお待ちいただけますか?との事だった。

交番はエアコンが効いているのか、すこぶる快適だった。無駄に歩いてゼェゼェ言ってる私にはご褒美のような空気感だった。
そして暇なのでスマホでブロックゲームをしていたら背後から警察官の方々が現れ、思わず変な声が出そうだったりした。

一人の方が書類を作成している間、もう一人の方が汗だくおばさんに気さくに話しかける。
「ウォーキングですか?」と。

そうなんですよ!もうね、本当は歩きたくないんですけどね!……と、まさか警察官にウォーキングの愚痴を聞いてもらう日が来るとは思わなかったおばさんである。
またそれが粗品さんみたいな雰囲気のある方で、ニヒルなのに気さくと言うか。割と色々聞いてくるのだ。ところで仕事は何されてるんですか?とか、へー!僕もそこに知り合い何人かいるんですよ!とか。ご自身のプライベートな話しを盛り込んでくる感じで。
でも今思うと職質されていた感もあるな。

何だかんだと話しているうちに職質取り調べ、違う違う。落とし物の書類作成は終わり、無事帰宅出来た。
どうかあのSuicaがご本人の元へと戻りますように。

やっぱり自分がもしそういう物を落とした時に、誰かが拾って届けてくれると助かるかな。
届ける途中もポケットの中にカードを入れるのも何となく後ろめたくて、交番まで手に持ったままでいた。
結局、自分は何にも悪い事出来ない人間なんだな……と実感した出来事でもあった。

そして夕方、また散々暴言を吐き散らしてから歩きに出た私であった。

悪い事出来ないんだから、暴言くらい吐いたっていいさ。


この鹿、毎日ここにいる気がする


ここまで毎日同じ場所で会うと、鹿も私の事そろそろ認識してくれたかな?
とか思ってしまうダークネスウォーキングおばさんであった。


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