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女医の不妊治療体験記 #5 ー 妊娠高血圧症候群、誘発分娩〜緊急帝王切開〜産後の記録

こんにちは、あさちょこです。

体外受精を経て、39歳で男児、41歳で女児を出産した40代後半のワーママ医師です。不妊治療〜妊娠・出産の経過を書いています。

今回は、第一子の出産の様子のレポで、時系列的には#3の続きになります。

当時の経験と思いの丈を、母子手帳の記録や育児日記の画像も交えながら、赤裸々に、全8500字で書かせてもらいました。

これから出産予定の方の少しでも役に立つところがあれば嬉しいですし、読み物として楽しんでもらえればと思っています。

途中から有料にしていますが、最初の1700字は無料です。無料部分だけでも見ていっていただけたら嬉しいです。

「赤ちゃんが産まれて感動した!」みたいな記事を書く意味はあまりないと思い、とにかく率直に書いたので内容は明るいことばかりではありません。

率直に書くことが、結果これから出産を控えている方々の励みになり、出産を経験した方々を称えることになると思っています。

もちろん、出産とは関係のない人生を送っている方々にも、女性の人生の一場面の記録として、読んでもらえたら嬉しいです。

お産の経過

陣痛促進剤の投与開始

私は40週直前で妊娠高血圧症候群と診断され、緊急入院となり、40週になった時点で誘発をして出産しようと言うことになりました。

言わずもがなですが、陣痛はとにかく辛かったです!(これから出産をしようとしている人を怖がらせたらごめんなさい🙏…だけど、これはある意味誰でも知っている事実だから、しょうがないよね💦)

特に私の場合、お恥ずかしい話ですが痔を持っておりまして、普段はほとんど症状がないのですが、妊娠経過とともに症状が悪化していました。陣痛が来るたびに肛門の痛みが激しく、陣痛の波が来るたびに夫にお尻をテニスボールで抑えてもらわなければ我慢できないほどの辛さでした。

でも、当たり前ですが、陣痛がなければ出産は進まない。

だから陣痛は来なくちゃいけないのだけど、悶え苦しむように痛い。昔、高校生で出産した同級生が「ものすごくひどい便秘の後に、赤ちゃんの大きさの便を出すような苦しさ」と言っていて、正直「え、そんな大きい便?!?!」と思っていましたが(笑)、私にとってはそれどころではない痛みでした。

その上、痛みを感じれば、当然血圧が上がります。妊娠高血圧症候群だから、血圧は上がっちゃいけないのに、陣痛が来るたびに上昇する血圧。痛みで苦しい上に血圧が上がる。一体これはどうなるんだろう?とずっと思っていました。

陣痛促進剤を投与する→陣痛が起こる→血圧上がる→エンド
陣痛促進剤を投与しない→陣痛が起きない→出産が進まない→エンド

この二つの図式がずっと頭の中でぐるぐる回っていました。

同時に子癇発作(妊娠20週以降に初めて起こす痙攣発作)を予防するためのマグネシウム剤を投与されていたのですが、これによって全身の脱力感が、とにかくだるくて体が変な感じ。なのに陣痛が起きる。そして血圧が上がる。

ちなみにマグネシウム剤は切迫早産の時の子宮収縮抑制にも使われるので、子宮収縮を抑制しながら、陣痛促進剤を打っていたのかな…?ちょっと今考えてもよくわからないです…。

朝から夕方まで陣痛促進剤を打っても、子宮口は3-4センチしか開かず(全開大と言われる分娩の準備万端な状態では子宮口は10センチほど開きます)、17時になったところで促進剤投与は終了。「今日はこれで終わりで、明日また促進剤を開始します」と言われたときのがっかりさたるや!

夜間帯に促進剤を打つものではないというのは、夜に何かあったら大変ですから、そりゃそうだとは思います(はっきり覚えていませんが研修医の時もそうしていたのでしょう…)。

それでも、目の前でシャッターがガラガラと閉められ、

「時間なので閉店します!また明日〜!」

と言われているような気持ちで、これを一体どのくらい続けたら赤ちゃんが生まれるんだろうと、絶望しました。その日の夕方担当してくれた助産師さんも素っ気ないサバサバした対応で、それも私の心の支えになりませんでした。

陣痛促進剤投与2日目

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