ちょっと性別不明の友人がいます -序章-
序章
大切な友人に「サワ」という人がいる。
大学の同期でもう13年の付き合いになる。
サワは、女でも男でもない。
最近よく聞くLGBTの言葉を使えば、FtMである。
つまり生まれた時の身体的性別は女だが、性自認は男である。
サワは、男だ。
今のサワは間違いなく男だ。
でも出会った時からそうだったわけではない。
出会いについては次回詳しく書きたいが、私がサワと出会った時、私はサワを男だとは思っていなかったと思う。かといって女の振る舞いもしていなかったので、変な言い方かもしれないが女だとも思っていなかったかもしれない。
よくわからない存在だった。
でも気にならなかった。
大学という新しい場で出会うたくさんの人たち。
サワはその中の1人。
悪意はないと前置きしたうえで、
シンプルにそんなにサワに興味を持たなかった。
(後からサワに聞くと、サワも私に興味は持っていなかったと。)
そんな私とサワの13年間。
思い返せば私たちは会うたびに議論を繰り返してきた。
女同士で話すようなたわいもない話の連続でも
男女の付かず離れずの会話でもなく
議論。ディスカッション。
内容はいつも大したことない、それこそ日常にあふれていることばかり。
始まりは、大学時代。
朝まで議論するのは当たり前だった。
サワも私も物事を深く考えたり、そこから生まれた疑問をぶつけるのが好きで、いつもあーだこーだと話しては納得したり反論したりを繰り返す。
それは卒業後、そして今でも続き、会えばまたあーだこーだと私たちはいつまでも議論を続ける。
分かり合えることも分かり合えないことも、疑問がさらに疑問を生んでも、私たちは議論し合えるそのことに何よりの心地よさを感じていたのかもしれない。
そしてそれはいつしか、議論し合えるお互いの存在がかけがえのないものなんだと、お互いに思うようになった。
議論し合えるだけではない、サワはサワの抱えるものを、私は私の抱えるものを、全く違うそれぞれの悩みや苦労、喜びや楽しさを分かち合える、そんな存在になっていた。
そんな私とサワの13年間。
よくわからない存在だったサワは
今は見るからに男だ。
少なくとも見た目はほとんど男だ。
でもサワはサワだ。
もしサワのことを知らない人にサワの性別を聞かれたら、男だと即答する。
でもサワは、サワだ。
私が思うに、性自認が人それぞれであるように
時間をかけて理解していった周囲の人(=私)にも
性自認ならぬ性他認があると思う。
もちろんそんな言葉はきっとない。
私は見つけることができなかったのでここに作ってしまうことにした。
(もしあるのなら教えてください。)
サワとの13年間、私のサワへの性他認は女でも男でもないところに落ち着いた。
サワはサワだ。
完全に私目線で、サワには失礼かもしれないが…
サワに女らしさも男らしさも感じない。
ほぼ感じない。
あるのは、サワらしさだ。
そんな私とサワの13年間。
いろんなことがあった。
性別に関係あることもないことも。
そんないろんなことを大切に大切に
ここに書き残していく。
もちろんサワには事前に許可を得ているし
なんなら宣伝まですると言っている。
サワらしい。
そして「サワ」という名前は
名字の「澤」をそのまま呼んでいるだけで
サワを知っている人はほぼ100%、いや150%
サワのことはサワと呼ぶ。
が、もちろんこれも仮名である。
(名前についてはまた別で書くのでお楽しみに。)
次回はサワとの出会いから。
「サワと私の13年間」
愛を込めて「サワわた」!!!
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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サワからのお返事は難しいです。ごめんなさい。)
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