「日本進化論」は、全大学生の必読書かもしれない
落合陽一さんの「日本進化論」を読了、テクノロジーで社会問題をどう解決できるのか、そのマインドの入門書になりました。
内容(「BOOK」データベースより)人口減少、超高齢社会、社会保険の破綻…など、ますます将来が見通せなくなっている今、日本を再起動するために、私たちは、何をどう考えるべきなのか。ミレニアル世代注目の論客と、次世代リーダーたちが、日本の本質的な論点と、次の時代への指針を示す。ニコニコ生放送で話題になった「平成最後の夏期講習」を下敷きに、著者が大幅に加筆。
具体的な内容は書籍や他の書評に譲るとして、こちらは就職を控えた大学生視点での読書感想文に近くなっていますのでご承知ください。
日本ってオワコンじゃないんですか?
現在、日本は将来の先行きが不安視されがちだと思います。
僕自身就活生なので就活セミナーに参加するのですが、現在の日本の状況を説明すると決まって引用されるデータがあります。
それは「企業の世界時価総額ランキング」の年代比較です。
見事に日本企業がランキングから姿を消していますね。
本書でも言及されていますが、昔は画一的な工業生産が主流でした。
そうした時代では日本の働き方やマインドがとても生産的で「ジャパンアズナンバーワン」になれました。
それが現在ではIT産業の旺盛により、クリエイティブな人材輩出やIT投資に力を入れてきた米国や中国が覇権を握っています。
(因みに「日本進化論」では日本の生産性の低さや政治的なしがらみについて詳しく言及されていてとても参考になりました)
セミナーによっては、将来のGDPランキングの推移も紹介され、下降し続ける日本のランキングを見せつけられます。
こうしたデータを見ると、学生の(おそらく)大半は「あっ、日本ってオワコンなんだ」と刷り込まれてしまうわけです。
1月に調査会社のマクロミルが新成人に行ったネットアンケートでも、約6割の若者が「日本の将来は暗い」と回答しています。
正確な割合ではないにしても、若者の多くは日本の将来に不安を抱いていそうです。
テクノロジーの可能性を知る必要性
しかし落合さんはそうした不安に対し、真正面からぶつかっています。
その中でキーワードになるのが、「ポリテック」です。
ポリテックとは…「政治」を意味する「Politics」と「技術」を意味する「Technology」を掛け合わせた造語(本書より抜粋)
もっとレイヤーを変えると、僕のような平凡な大学生など「リテラシーが浅い人」は、まずは「そもそもテクノロジーで何ができるのか?」という視点を持つことから始めた方が良いかもしれません。
日常生活でテクノロジーに触れているとしても、「生活を便利にしてくれるもの」「プログラミングとかやるんでしょ?」くらいの認識しかない人も大勢いるかと思います。
しかし本書で言及されている通り、テクノロジーによる「限界費用ゼロ化」や「コミュニティ再活性化」には計り知れないエネルギーがあります。
日本のように人口減少が決定的な国にとって、テクノロジーの導入による社会問題解決は必須であり、
そしてその解決の一翼を担うのが若者なのだと思います。
そういった意味で、この「日本進化論」は将来の日本を担う大学生必読であると考えました。
若者が声を上げることで日本を変える
落合さんはポリテックの推進のためには日本の閉鎖的なマインドセットを変える必要があるとおっしゃっています。
僕もその意見に多いに共感しています。
人によっては小難しい社会問題の知識をインプットするのではなく、まずは「テクノロジーってこんな可能性あるんだ!」と前向きで開放的な思考を持つことが第一歩なのだと思います。
特に先のアンケートで「日本の将来は暗い」と考えていた大学生には、「どうやったら日本の将来が明るくなるんだろう」と考えてみて欲しいです。
そうして個人が日本の将来を考え、発信し、行政と協力してこれからの日本をデザインしていくことが必要なのではないでしょうか。
テクノロジーが発展した未来のキャリアを考える
周囲や友人の就活生を見ていても、何かがしたい、こんな自分になりたいと思って就活をしている人は少数派です。
今までビジネス的な社会からある程度隔絶された学生に「自分のなりたい社会人像」を探せと言われてもなかなか難しいでしょう。
ただテクノロジーによるリソースの最適化によって、これからはもっと自分なりの働き方を追求しやすくなって、そっちの方が楽しい未来が訪れるのです。
「マーケティング4.0」でも消費者の自己実現へのヴァリューシフトに触れていましたが、「集団」から「個人」への主体の移動が社会全体で起こっていると感じています。(そんなに長生きしているわけではありませんが)
人によっては「この課題は解決したい!」と人生のかじ取りをするのが容易になるでしょう。
(ただそれが必ずしもテクノロジー活用が絡んでなくてもいいでしょうし、そもそも「この課題を解決しなければ!」と考える必要もないのかもしれません。)
とにかく、僕自身「これだ!」という選択肢は見えていないのですが、「自分への嗅覚」を磨き続けていきたいと考えています。
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