教員を続けるためには10万必要
教員免許は他の職業に必要な免許等とちょっと違います。それは更新制度があることです。
平成19年6月の改正教育職員免許法の成立により、平成21年4月1日から教員免許更新制が導入されました。教員免許更新制の目的は、その時々で教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指すものだそうです。
これだけの内容を聞くと「なるほど」と思ってしまいます。
しかし、10年に1回免許更新をしなければ教員免許の効果はなくなるということ、つまり現職の教員をやる限りは10年に1回の免許更新の講習を受けなければならないということです。そして免許の更新には約30,000円かかりこれは全て実費で払わなくてはいけません。したがって60歳まで働こうとすると約3回の更新が必要になり、そのために100,000円+講習の時間がかかってくる計算になります。さらに再任用を受けようとするともう一度更新が必要になってくるためなかなか再任用での教員を募集することには難しさがあるのではないかと思います。
また、免許更新のための講習はいつやるの?と感じる人も多いと思います。文部科学省のHPには、
講習の開設は、長期休業期間中や土日での開講を基本とするとともに、受講しやすいように、通信・インターネットや放送による形態なども認められています。
とあるように、まさかの土日にあることが基本であるとしています。長期休業期間中というのは夏休みのことでありますが、このコロナの影響で夏休みは大幅に短縮され、夏休みにはなかなかできない状況なのではないでしょうか?また、免許更新の延長は認められているようですが、結局は更新をしないといけなく、どこかにしわ寄せはくるという形になります。
そもそも夏休みにまとまった長期休業期間を設け、教員の休養期間にするなどの案で可決された ”裁量労働制” があるのにもかかわらず、この夏休みに休みが取れない状況になってしまうことが挙げられます。結局は予算を確保するために教員から研修のためという名目でお金を集めているようにしか思えません。
新しい情報や知識を獲得させ、児童生徒へ時代の変化に対応できる力を身につけさせることができる教員を育てたいなら、もっと日々の働き方にゆとりがないと不可能なのではないでしょうか?
せっかく講習を受け、「いいなーその実践やってみたいな」と思っても日々の忙しさから、「うちの学校では無理だ」と思うのではないでしょうか。
教員の中には、「どの講習が楽だった?」「この講習は楽だからここがおすすめだよ」と話している教員もいました。つまり、それだけ負担が大きいということです。中には、全く成長を希望しない教員もいると思いますが、、、
免許の更新制度自体はあってもいいと思いますが、10年に1回の講習で時代の流れについていけると到底思えません。なぜなら、今から10年前を思い出すと、ようやくスマホがガラケーに変わり始めたくらいではなかったでしょうか。時代の流れが早いからこそ、即時学べる機会の保障をしなくてはならないのではないでしょうか。むしろ医者や薬剤師などの方が生命に関わるので、必要なのではないでしょうか。
現場の教員にとって意味のない講習を受け、ただ負担となっている更新制度をぜひ見直して欲しいです。