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マスクを外せない子どもたち

 コロナ禍でマスクをすることが当たり前で、していないのはマナー違反とまで思う人がいるほど、日々の生活の中でマスクをつけることは日常生活の一部になっています。

 もちろん学校でもマスクの着用は必須となっています。

 ただでさえ、窮屈な教室の中に40人ほどの子供たちがはいり、授業をおこなっているのですから。

 そんなマスク着用が当たり前の世の中になってきたことで、子どもたちにもある変化がでてきました。

 それは、”マスクが外せない”という子どもたちです。

 自分の担任している学級にも何人かいます。

 例えば、”食事”をする時でも彼らはマスクをしています(笑)

 他の先生にその話をすると、「え、どーやって食べているの?」と不思議がられます。

 初めはどうやって食べているのか不思議だったので、給食の時間にその生徒たちを観察してみました。

 すると、マスクを少し持ち上げ下顎とマスクのわずかな隙間から食べ物を口に入れ、再びマスクを元の位置に戻し、もぐもぐ食べていたのです。

 正直、「めんどくさくないのかな…」と思いましたし、「すごいな…よくあれで食べられるな…」と少し感心してしまった面もあります(笑)

 でもそのままにしておくのも気になったので、直接話を聞きなぜマスクを外せないのかを聞いてみました。

 すると、さまざまな思いがあることに気がつきました。


1、自分の顔にコンプレックスがある・自信がない

 中学生くらいになってくると、ニキビが顔など目立つ場所にできやすくなりますよね。

 これがすごく気になり、自分の顔にコンプレックスを感じ外すことができないと言います。

 また、マスクをしてしかほとんどの学校生活を送れていない今年度なので、マスクを外した自分の顔に自信がないという生徒もいました。

 マスクを外したら周りの子に「思っていた顔と違うね」と言われたどうしよう…などという不安を持っているそうです。


2、周りからの目が気になる

 マスクをしていると顔全体が見えないために、目などマスクで覆われていない部分は想像しますよね。

 この周りがしている想像と自分の顔のギャップがあるのではないのかということに不安を覚えているそうです。

 格好いいと多くの人に言われたが、口元があまり自分でも好きではないし、マスクを外した時に今の格好いいというイメージが崩れてしまうのかが不安という生徒もいました。

 確かに、思春期真っ只中の中学生や高校生であったら異性からの目は気になる人は多いのではないかなと思いました。


3、ずっとつけているから今更外せない

 常にマスクをつけている子は少しも外すことができなくなってしまっています。

 マスクをしていない姿を見られたくないといった具合です。

 マスクを外すような場面でも外さなく、もし、仮に外そうとすれば「え、〇〇マスク…外すの…」「マスク外すのか!?」のように周りがその子のマスクを外した姿を一目見ようと視線が集まりそうになります。

 そういった空気感や声が聞こえるとますます外せなくなっていき、結果としてマスクを外すことができない子になっていきました。


 

 もちろんこのマスクを外せない人(マスク依存)は子どもに限ったことではなく、大人でも多いと思います。

 ネットで「マスク依存症」と調べるとたくさん出てきますし、毎年冬の時期にはマスクを不要にもかかわらず毎日つけてきているような ”伊達マスク” をする子どもが多い印象です。

 今年はさらにコロナということもあって、ますます拍車がかかっているように感じています。

 

 このような”マスク依存症”の子どもたちをどのように依存から克服させていくのか考えなければなりません。

 もちろん自分に対して自信をつけることが克服の第一歩になることはわかります。

 しかし、簡単に”自信をつける”といってもそれが一番難しいですよね。

 「大丈夫だよ」という言葉は非常に無責任に感じてしまうので、そのような声かけはなかなかできないなと思ってしまいます。

 

 コロナが終わり、マスクをつけることが当たり前になっていくのか。

 または、マスクを外して生活する生活に戻り、マスクをつけていることができなくなる日が来てしまうのか。

 学校現場ではどちらになるのか今後の動向が気になります。






 





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