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【読書】なぜ働いていると本が読めなくなるのか

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」三宅香帆著を読了。全身全霊をやめて、半身社会を推奨する話。歴史を紐解き、読書の隆盛について解説してくれて、とても勉強になった。

戦前円本(全集)ブームは、本をインテリアとして活用。まさに、ジャケ買い積読の先駆け。月払いでの購入で、デアゴスティーニや、サブスクの先駆けにもなっていた。また、戦前は、週休制の普及による休日数の増加、郊外住宅地の発展による通勤時間という名の読書時間増加相まって、読書が一般化していく。

1970年代に入り、実質経済成長率がマイナスになった。仕事の質や量、態度や積極性、習得能力に加えて、自己啓発を評価に組み入れる会社が多くなった。企業が期待するサラリーマンであるため、社員が勤務外に自発的に勉強することを企業が求めたようだ。

80年代は学歴よりも処世術の方が大切という価値観が拡がった。出世のためのコミュニケーション能力。これは今でも大きな流れとしてある気がする。

2000年に入り、インターネットが登場して、情報と読書のトレードオフが始まった。情報は自分が知りたいもので、ノイズがない。本は小説などは予想してない展開などありノイズがある。

今後は半身で働いて本が読める社会を目指すべき。全身全霊をやめる。半身社会こそ理想だ。働きながら本が読める状態、それが半身社会。

私は、働き方改革にも力を入れているが、時間も心にも余裕(スラック)を持って、たまにはノイズを入れていきたいな。

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