#2)Antony Gormleyの理念(肉体と場所)
アントニー・ゴームリー(Antony Mark David Gormley, 1950- UK)
英国の彫刻家。
基本的に、アントニー・ゴームリーは、「人体(肉体)とは記憶と変化の場所である」とする「ラディカル(先鋭)な研究・模索」を行ってきた。そして、自身の身体をモデルして、様々な素材の彫刻-人間像に生命を与えた。
1990年-以降の作品は、大規模なインスタレーションの中で、集団の身体と、自分と他人の関係性を視点に、人としての条件的な表象を展開している。
「我々全員が生きている状況の反対側(側面)で、その場所を具体化する試み」Antony Gormley
もう少し、その部分の解釈を延長すると、アントニー・ゴームリーの作品(彫刻-キャスト)は、人体(肉体)を「物」ではなく「場所」として扱う。その制作プロセスは、識別のための人類共通の条件として、個々の肉体の「場所」を取り囲んだ表象だろう。その表象とは、印(しるし)として、時間軸にリアルな肉体とイベントの痕跡なのだろう。この辺りは、哲学的だ。
アントニー・ゴームリーの作品は、テート・ギャラリー、大英博物館、ホワイトチャペル・ギャラリー、ヘイワード・ギャラリー、、、その他、世界中の多くのミュージアムに収蔵展示されている。
略歴
1950年、ハムステッド(ロンドン)で生まれる
1968-1971年、、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ(考古学、人類学、美術史)を学ぶ
1974年、セントラル・セント・マーチンズ・カレッジンおよびゴールドスミス・カレッジ
1977-1979年、スレイド美術大学、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(彫刻)大学院課程
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1994年、ターナー賞
1997年、大英帝国勲章(OBE)
1999年、サウス・バンク賞ビジュアル・アート部門
2003年-ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの会員。
2007年、バーンハード・ヘイリガー賞彫刻部門
2009年、第四の台座「ONE AND OTHER」
そして、大英博物館、バルティック現代美術センターの理事でもある。
Fig.Iron:Man-ビクトリア広場(バーミンガム)高さ6m/1993年
Fig.Another place(他の場所)-リヴァプール近郊クロスビー・ビーチ/1997年
(c)Antony Gormley
Inside the show: Antony Gormley at the RA
How it was made: Antony Gormley's Cave