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シェリー・レヴィーンとアプロプリエーション・アート

シェリー・レヴィーン(Sherrie Levine)とアプロプリエーション・アート

シェリー・レヴィーン(Sherrie Levine,1947- /アメリカの写真家・アーティスト・コンセプター)
そして、シェリー・レヴィーンは、アプロプリエイション・アート(appropriation art)の代表格の作家だ。

・シェリー・レヴィーンの作品の構成

そのシェリー・レヴィーンの作品の構成は、マルセル・デュシャンたちの初期モダニズムの作家のよく知られた作品のアプロプリエーション(流用・盗用/アートでは文脈の置き換え)から、始まっている。写真家で言えば、ウォーカー・エバンス(Walker Evans, 1903-1975/アメリカの写真家-作品は、記録性を重視したストレートフォトグラフィ)や エドワード・ウェストン(Edward Weston,1886-1958/アメリカの写真家-Group f/64)の写真作品を撮影し、その複製品を作り、作品として発表するアプロプリエーション作品(appropriation art)で著名だ。
例えば、ウォーカー・エバンスのカタログを撮影で複写し、シェリー・レヴィーン自身の作品として何の手を加えることなく発表する行為だ。それは、従来からの視点からは乖離しており注目を集める、どちらの意味合いでも興味のある表象だろう。

その理論構成は、一般的に広告など流通するイメージが持つ同一性を解体するところにある。

ウォーカー・エヴァンズによるアリー・メイ・バローズの肖像にちなんで-1981 のコピー

(註)現行のNFT(non-fungible token/非代替性トークン/所有証明付き・偽造不可なデジタルデータ)の考え方とは異なる。

そして、シェリー・レヴィーンは、*The Pictures Generationのメンバーでもある。

・ショートコラムが、長くなるが、もう少し、加えると・・アートワーク-Sherrie Levine

1947年、ペンシルベニア州ヘーズルトンに生まれる。そして、ミズーリ州セントルイス郊外の郊外で育ち、絵を描くのが大好きな母親と一緒にセントルイス美術館に通っていた。
1969年、ウィスコンシン大学マディソン校で文学士、4年後にMFA(Master of Fine Arts)を取得している。
1977年、シェリー・レヴィーンは、ダグラス・クリンプ(*John Douglas Crimp)がキュレーションを行なった、ニューヨークの Artist Space で行なわれた Pictuers という展覧会に参加したことから、その表象のロジックは始まる。そして、この展覧会で、ダグラス・クリンプが、命名した "ピクチャー・ジェネレーション" (*Picture generation)という名称は、1970年代後半-80年代前半にかけてミニマリズムから写真を用いた作品へと移行していた芸術家の世代の呼称となった。

(註)*The Pictures Generation:*John Douglas Crimp (1944-2019/アメリカの美術評論家)主催のアーティストスペースギャラリー(Artists Space/NYの非営利のアートギャラリー・アート組織と展示スペース)

ウォーカー・エヴァンス 複製

ウォーカー・エヴァンスの写真の複製 - by Sherrie Levine

デュシャン 泉 複製 

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by Sherrie Levine

・アプロプリエイション・アート(appropriation art)

アプロプリエイション・アート(appropriation art)は、モダンアートの初期に発生して、1970年代後半に盛んになった芸術の1つの手法だった。
そして、シェリー・レヴィーン は、その代表格の作家だ。

1980年代にはニューヨークのイーストビレッジにおいて、アプロプリエーションを用いた芸術家があつまり、シェリー・レヴィーンは、際立った存在となる。

繰り返すが、そのアプロプリエーションは広く流通するイメージが持つ同一性を解体し、文脈や解釈に依存するイメージのあり方に注意を向けた。それは、コンテキスト(文脈)の脱構築(全体、また、項目枠の再構築)する思考方法の論理。それは、ジャック・デリダ(Jacques Derrida, 1930 - 2004/フランスの哲学者)の視点と感じられるが・・
言葉を変えれば、その時代の「イメージと文化」を掘り下げているのだ。
それが、シェリー・レヴィーンのメソッド(method/方法)だろう・・

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Sherrie Levine

・シェリー・レヴィーン女史は、これから、益々のご活躍を願いたい作家ですね、そのコンセプターとしての意識も高いですし・・

次回は、このアプロプリエーション・アートとその周辺に続きます。お時間が許す折にでもご覧いただければ幸いです。


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